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能登半島地震に奥能登豪雨で被災も前を向き出店…輪島塗の工房の思い 山形屋で「加賀百万石のれん市」

2025年3月4日 19:15
能登半島地震に奥能登豪雨で被災も前を向き出店…輪島塗の工房の思い 山形屋で「加賀百万石のれん市」

 能登半島地震から1年あまり。鹿児島市の百貨店で石川県の食や工芸品を集めた物産展が始まり、買って、食べて応援しようと多くの人が訪れました。こちらは去年も出店した輪島塗の工房。出店した半年後に今度は奥能登豪雨の被害を受けましたが、なんとか出店に漕ぎつけました。前を向く、その思いとは。

 カラッと揚がった白エビの天ぷらに。繊細な上生菓子。きらびやかな金箔のソフトクリームも!4日から鹿児島市の山形屋で「加賀百万石のれん市」が始まりました。石川県の食や工芸品など約1500点が並んでいます。開店早々、行列ができていたのは、海鮮弁当の店。のどぐろやカニ、イクラなどがふんだんに乗った、海の宝箱のような弁当です。

(永田莉紗アナウンサー)
「のどぐろ脂がのっていますね。皮が炙ってあるので、とっても香ばしいです。また、イクラにカニに色んな魚介の味が口の中に広がってとってもおいしいです」

 さらに、市場にあまり出回らない能登牛を贅沢に使った弁当や。自家製の餡がたっぷり入ったたい焼きなども並んでいました。能登半島地震の発生から1年あまり。今年も、買って食べて応援しようと多くの人が訪れていました。

(訪れた人)
「色々見ていいのがあったら買って、それで応援できれば」
「できれば行きたいが中々できないので、こういった催しがあれば参加したいと思う」
「能登半島の皆さんが1日でも早く元気が出て復興できればというのを願っている」

 今年は能登半島から10の店が出店しています。こちらは、能登町にあるイカ専門の水産加工品のお店です。日本でも有数のイカの漁港、小木港でとれた新鮮な「小木イカ」を使った弁当などを販売しています。

(和平商店・浅井英輝)
「能登町の方はまだ比較的被害が少ない方で、断水とかはしたが、建物とかは無事だった」

 それでも、停電は1週間、断水は2か月ほど続きました。今は、商品は作れるようになったものの、まだまだ元通りとは言えません。

(和平商店・浅井英輝)
「工場しかなくて、近くの道の駅とかに卸していたが、道の駅も一応オープンはしたが、1日2時間とかの時短営業なので、まだ観光客も中々来ていないような感じなので/地元で販売する場所がまだ全然なくて、物産展に出させていただいて、何とか営業しているような感じ」

 こちらは、長い歴史を持つ輪島塗。思わず目を奪われる優美さです。手がけているのは、輪島市の「輪島塗 桂月堂」。2階建ての自宅兼工房は、地震で被災しましたが、去年も加賀百万石のれん市に出店していました。

(輪島塗桂月堂・桂木治さん)
「私たちは生きてるよ、元気にしてるよという姿を見ていただけたら」

 しかし、その半年後。今度は奥能登豪雨に見舞われ、1階が壊滅的な被害を受けたといいます。

(輪島塗桂月堂・桂木治さん)
「うちで大体140㎝弱水が入って。今度は1階がほぼ全滅してしまって、床も壁も何もかも、品物も。そこから家族で色々頑張りながら、翌日のヘドロ出しからはじめ全部色々して、ボランティア団体の協力も得て、やっと年末に水が通ったというレベル」

 遠い復興への道のり。それでも前を向いて少しずつ歩みを進めています。

(輪島塗桂月堂・桂木治さん)
「妻と話し合って、これで辞めるのではなくて、どっちにしろ地震でやり直そうと決めたんだし、もう一度ゼロからだと思ってやり直そうということで、年内に家を建て直して工房も全部作り直して、色んなところの力を借りながら今は前に進もうと思ってやっている。それぞれ色々思い考えることがあって出店しているので、みんなに会いに来てくれて、気に入ったものがあったらお買い求めいただければ、それがみんなに対しての支援になるので」

 「加賀百万石のれん市」は3月10日まで行われています。

最終更新日:2025年3月4日 19:15