パリ五輪へ「衝撃的な滑りで金メダルを」スケボー赤間凛音さん(14)<単独インタビュー>
パリ五輪が開催される2024年。スケボー世界ランキング5位(2023年12月時点)・仙台市出身の赤間凛音さん(14)の今の心境は・・・。
<赤間 凛音 さん>
「2024年はオリンピックがあるって前から分かっていたし、東京オリンピック後もそれに向けて今まで頑張ってきたという感じなので。頑張りたい年だなと思います」
【7歳からはじめたスケートボード きっかけは父親の趣味】
仙台市出身の赤間凛音さんは2009年生まれの14歳、中学3年生。日本人選手の上位3人に与えられるパリオリンピックの出場権で、凛音さんはちょうど3番目に位置しています(2023年12月時点)。
凛音さんがスケートボードを始めたのは7歳、小学2年生の頃だという。
<赤間 凛音 さん>
「きっかけはお父さんが元々サーフィンをやっていて。それで遊びで近所の下り坂でサーフスケートをやって、それに乗ってみたら楽しかったので始めました」
それからスケボーにのめりこんだ凛音さん。平日は宮城県大崎市内の練習場で3時間。週末には設備の整った新潟の練習場に足を運び、スケボーと向き合う日々を送っている。
<赤間 凛音 さん>
「スケボーをやっていなかったら、もっと学校の友達とかと遊んでみたり、友達と一緒にちょっと遠くの方に行ってみたりはしてみたい。スケボーで楽しいのは、できない技が決まった時の達成感とか。あとはスケートボードの友達がいたりするところです」
【同世代の活躍 うれしさの反面で悔しさも…】
凛音さんにとって大きな転機となった出来事があった。それは2021年に開催された東京オリンピック。そこで活躍したのは凛音さんの1学年上、当時13歳の西矢椛選手。スケボー女子の初代・金メダリストになったその姿はとても輝いて見えたという。
<赤間 凛音 さん>
「(西矢)椛と(中山)楓奈は、大体同じくらいのレベルだと思ってやっていたので。いきなりオリンピックに出られるとなって、そこでいい成績を残して。別次元の存在みたいに一気になっちゃったので、すごいなってなりました」
うれしさの反面、自分が出られなかった悔しさ…。それが凛音さんに火を付けた。東京オリンピック後の日本選手権で優勝すると、去年6月にはイタリア・ローマで悲願の国際大会初優勝。世界ランキングは2位にあがり、一躍パリオリンピックのメダル候補に浮上した。
<赤間 凛音 さん>
「一番最初はびっくりですね。その後にうれしさが出てきた感じです。やっと表彰台にのぼれたし1位獲れて、その時はちょっと安心した気持ちもありました」
【女子スケボー「戦国時代」 激戦のオリンピック出場枠争い】
今、日本のスケボー界は才能が目白押し。各大会の成績で決まる世界ランキングには、凛音さんのほか、西矢椛選手など10位以内に日本人が6人ランクイン。このうち、日本人選手の上位3人にしかオリンピックの切符がわたらない熾烈な争いのなか、凛音さんをアクシデントが襲う。パリ五輪まで1年を切った去年8月。大会の公式練習中に着地に失敗し、右鎖骨と骨盤を骨折。全治6か月の診断を受けた。
<赤間 凛音 さん>
「病院に運ばれて少し時間が経ってから、オリンピック諦めた方がいいんじゃないかというのは思いました」
【あきらめかけた五輪・・・再スタートの原動力は】
それでも捨てきれないパリへの思い。同世代の活躍で味わった悔しさが、折れかけた心を支える原動力になった。驚異的な回復を遂げた凛音さんは大ケガから2か月でスケボーに乗り、12月には国際大会への復帰を果たした。
<赤間 凛音 さん>
「結果が6位で終わっちゃったんですけれど、自分らしい滑りはできたんじゃないかなと思います」
凛音さんがエントリーする「ストリート」という種目は、手すりや階段など街中をイメージしたコースで技を繰り出し、その難易度や正確さなどを競いあうもの。各国から実力者が集うなか、凛音さんの持ち味は完成度の高い正確な滑り。そして、他の女子選手にはマネできない大技がある。
【女子で唯一「バーレーグラインド」 目指すメダルは・・・ 】
<赤間 凛音 さん>
「〝バーレーグラインド〟は今のところ女子の選手では自分しかやっていないと思うので、オリンピックもこの技を出していきたいなと思っています」
板と体を180度回転させてレールに飛び乗り、そして元の方向に戻してから着地する〝バーレーグラインド〟。この武器を携えて、まずはオリンピックの切符をつかみに行く凛音さん。改めて、2024年にかける思いを色紙に記してもらうと・・・
<赤間 凛音 さん>
「〝勝つ〟です。オリンピックに絶対出て勝ってやるという気持ちです。いつも通りの他の人がやらないような自分らしい技をして、衝撃的な滑りをできたら勝てるんじゃないかなと思います。目指すのはやっぱり金メダルです」