大石知事 ”政治資金問題” 具体的な説明避ける「借入金286万円」収支報告書を寄付に訂正《長崎》
大石知事は、県議会の各派代表者会議で自身の政治資金をめぐる問題について、近日中に後援会の収支報告書を訂正すると説明しました。
「迂回献金」との指摘もある中、寄付を受けた経緯などについては、具体的な説明を避けました。
(大石知事)
「県民に心配かけていることに深くお詫びを申し上げる」
17日午前、報道陣の取材に応じた大石知事。
自身の政治資金問題をめぐり、県民に対して陳謝しました。
大石知事は、先月の県議会一般質問でおととし分の自身の後援会の収支報告書に、県議の後援会から286万円を借り入れたとの記載に対する指摘を受け「6月中に収支報告書を訂正する」と答弁。
しかしその後、後援会で出納を巡るトラブルが発覚し「精査が必要」として訂正を延期。
議会閉会日までに具体的な説明は行われませんでした。
県議会は知事に対して説明を求めるため、17日に各派代表者会議を開催。
大石知事は、指摘を受けた「286万円」の借り入れについて、収支報告書を “訂正する” と説明したということです。
(大石知事)
「弁護士を入れて検討したところ(借り入れではなく)、寄付として処理すべきという結論に至った。近日中に令和4年の収支報告書を県議の後援会からの寄付であったとする方向で訂正する」
収支報告書によりますと、県内の医療法人など9団体が大石陣営の選対本部長を務めていた県議が、代表を務める自民党の支部に286万円を寄付。
その後、同じ金額が支部からこの県議の後援会に支出され、さらにその後、大石知事の後援会に「借入」として同じ額がわたっています。
今回の指摘を受け「借入」を「寄付」へと、近日中に訂正するということです。
またこのカネの流れについては、医療法人が知事の後援会に直接献金することは法律で禁止されている中、第三者を経由して行う いわゆる「迂回献金」にあたるのではと指摘する声もあがっています。
県医師会の担当者によりますと、おととしの知事選で大石知事を支援するために、県医師連盟が会員に対して寄付を依頼。
当時、寄付に協力した医療法人に医師会が送った文書では「大石けんご後援会」への寄付金の振り込み先が自民党の支部となっています。
医師会の担当者は「大石氏の陣営関係者から振り込み先の指示を受けた」と話しています。
大石知事は「法に抵触する行為はしていない」との認識を示した上で…。
(大石知事)
「現時点で捜査に関わるようなことについて支障をきたす可能性があるので、発言は控えたい」
(every. 記者)
「286万円の件は告発されていないと思うが…」
(大石知事)
「現時点で告発がすでに行われるかどうかわからないが、今後(告発が)行われる可能性もあると思っている。そういった状況を踏まえて私の認識も含めて、事実関係についてはお話を差し控えたい」
一方、選挙運動費用収支報告書と後援会の収支報告書に二重計上されていた「2000万円」については、後援会の報告書の「借入金」としての記載を削除するということです。
後援会からの返済金約655万円をだましとった詐欺や、業務上横領の疑いで告発されていることについては…。
(大石知事)
「まずは捜査にしっかりと協力をして、当局の判断を待って、捜査が終了した段階で事実関係を詳細に説明をする」
返済金として受け取った約655万円は「ただちに全額返済する」としています。