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被爆体験者訴訟「控訴見送り」など原告の思い要請 大石知事と鈴木長崎市長が厚労省を訪問《長崎》

2024年9月11日 20:20
被爆体験者訴訟「控訴見送り」など原告の思い要請 大石知事と鈴木長崎市長が厚労省を訪問《長崎》

被爆体験者の一部を被爆者と認めた長崎地裁の判決を受け、大石知事と長崎市の鈴木市長が11日、厚生労働省を訪れました。

国側に「控訴見送り」を求める原告の思いを伝達したということです。

(大石知事)
「しっかりと、県と市が一緒になって(被爆体験者の)思いをお伝えすること、そして意見交換することが必要だと思った」

11日午後、東京の厚生労働省を訪れた 大石知事と鈴木長崎市長。

9日の被爆体験者訴訟の長崎地裁判決を踏まえて、意見交換を行いました。

国が定める被爆地域の外で原爆にあった被爆体験者ら44人が、被爆者認定を求めた裁判で長崎地裁は、旧矢上村など3つの村では「黒い雨が降った」と認定。

この地域の原告15人に、被爆者健康手帳を交付するよう命じる判決を言い渡しました。

厚生労働省との会合は非公開で行われ、終了後に大石知事と鈴木市長が報道陣の取材に応じました。

(大石知事)
「被爆体験者の方々は本当にご高齢になっている。そういった中で、一刻も余地はないとそういう状況にあって、控訴を断念するということが、地元の強い思いであることはお伝えした」

国に対して、15人への速やかな被爆者健康手帳の交付や、被爆者と認められなかった29人の救済などを求めました。

また 先月、岸田総理が被爆体験者との面会の際「合理的な解決」に向けた具体的な対応策を調整するよう、武見厚生労働大臣に指示した内容について加速化を要請したということです。

(鈴木長崎市長)
「今回こういう判決が出たということもあるので、より早急に進めていかなくてはいけないという思いは、国も県も市も共通していると思っている」

厚労省側は「(長崎の)思いをしっかり受け止めて、今後の協議に臨みたい」と応じたということです。