“労災事故” 過去最悪 今年4人死亡「熱中症にも問題意識を」造船など7団体に緊急要請《長崎》
仕事中などに起きる労災事故についてです。
長崎市などを管轄する長崎労働基準監督署管内では、今年、先月末までに4人が労災事故で亡くなっています。
これは記録が残る1999年以降、最悪のペースで、すでに去年1年間の死亡者数と並んでいます。
死亡事故は4件とも長崎市内で起きています。
建造中のケミカルタンカーで1月には転落事故が、3月には火災が発生し、いずれも作業員1人が亡くなりました。
4月には解体していた建物が崩れ、作業員が下敷きになって死亡。
5月には残土処理場で重機が路肩から転落し、運転していた作業員が下敷きになって亡くなっています。
過去最悪の状況となっていることを受け、長崎労働基準監督署は業界団体などに緊急の要請を行いました。
(長崎労働基準監督署 井上 和秀署長)
「今年1月から5月までの間に4人の尊い命が失われたことにより、極めて憂慮すべき事態となっている。関係者に対し周知の徹底を図るようお願いする」
死亡事故防止に向けた緊急対策の文書が交付されたのは、造船や解体工事の業界団体など7団体です。
文書に加えて、現場などで安全点検ができる「チェックリスト付きのリーフレット」も作成し、配布。
それぞれの団体の会員企業に周知してほしいと要請しました。
作業中の事故などに加えてこれからの時期に注意が必要なのが『熱中症』です。
県内では去年、12人が熱中症による労災と認定されていて、炎天下の作業などの際には休憩を十分にとるなどの対策を行うよう呼びかけました。
(長崎労働基準監督署 井上 和秀署長)
「(熱中症は)気候変動の影響で、(全国では)2年連続で増えているので、そういった問題意識を持ってもらって水分のこまめな補給や、危険な暑さのときには早めに仕事を中断するとか対策を講じてほしい」
労働基準監督署は、建設現場を訪れて安全対策を確認するパトロールを行うなどして、労災防止に取り組むとしています。