「みんなで当日素敵な舞台になったら」 開催直前の「ねんりんピック」 競技者だけでなくイベント出演者などが着々と準備中 鳥取県
いよいよ10月19日から始まるシニア世代のスポーツと文化の祭典「ねんりんピック」。鳥取県内19市町村で29種目の競技が行われ熱戦が繰り広げられます。また、一般の人も参加できるイベントなどもあり各地で準備が進んでいます。
10月5日、鳥取市で行われていたのは「ねんりんピック」開会式のリハーサル。シニア世代のスポーツと文化の祭典、ねんりんピックは今年で36回目を迎えます。鳥取県では初めての開催となる今回、リハーサルには鳥取しゃんしゃん傘踊りや米子がいな万灯など、10団体約450人が参加。選手たちへの歓迎と応援のメッセージを込めた、創作パフォーマンスを披露するための練習を行いました。
参加者
「みんなで当日素敵な舞台になったら良いなと思います」
「初めてだったので、難しいところもあったけど本番がんばりたいと思います」
「私たちも全力で頑張るので、選手の方たちも頑張ってください!」
鳥取県内19市町村で29種目の競技が行われるねんりんピック。スポーツだけでなく、音楽文化祭や健康づくり教室など、さまざまなイベントが予定されています。
こうした中、各所でねんりんピックに向けた準備が行われています。10月15日、境港市民交流センターで行われていたのは、美術展の設営です。ねんりんピックでは、高齢者の文化活動や生きがいづくり促進のため、美術作品の展示会を開催。全国で制作された480点の作品が鳥取県に集結し、境港市と倉吉市の2会場で展示されます。このうち境港市民交流センターには日本画や洋画約170点が並びました。
鳥取県美術家協会 加藤 哲英 顧問
「年齢を重ねただけあって熟成度も高い、本当に見応えのある絵が多いと思います」
今回、洋画を審査した鳥取県美術家協会の加藤哲英顧問が展示角度や高さ、作品の並びのバランスを調整していました。なかでも大切になるのは、光の当て方。照明の角度で作品の見え方に違いが出るといいます。
15日は美術品運送の専門業者が8人態勢で設営。光の角度や強さで、作品の注目度や印象が変わらないよう、細かな調整を行っていました。
鳥取県美術家協会 加藤 哲英 顧問
「(事前調整で)作品が生きるか死ぬかということもあります。その効果を考えて、照明をきれいに当てて浮き上がらせたい」
◇ ◇
一方、10月7日に鳥取県岩美町では女性たちが集まり、米子市で行われる地域文化伝承活動の紹介イベントに出演するため、岩美町に伝わる「岩井ゆかむり唄」の練習が行われていました。
昔は温度が低めだったという岩美町の岩井温泉。「岩井ゆかむり唄」では、しっかり温泉で温まるために何度もひしゃくでお湯を体にかける仕草を表現しています。10月7日は大会前、最後の練習日。保存会の小椋民子さんの指導にも熱が入っていました。
小椋民子さん
「隣の人との間隔、位置、自分だけが前に出ていないか、後ろにいないかというのを見ながら」
通し練習では、手の角度や列の並び方が課題に。ひしゃくのお湯がこぼれない角度が美しく、スムーズな移動も大切になります。そして、最後の通し練習。全員が息をそろえ、美しく踊ることができました。
小椋民子さん
「お湯を大切に踊ろうという気持ち、心の持ち方、そういうのを大切に踊ってほしいと思いました。今はもうバッチリです」
練習の参加者
「ちょっと間違えちゃうところもあるけど、次の振り付けも全部覚えているから上手くはなっていると思います」
「岩井ゆかむり唄」は、10月20日に米子市の米子コンベンションセンターで披露されます。
小椋民子さん
「気合を入れて、(本番は)気持ちをほぐして踊りたいと思います」
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そして、ねんりんピック会場を彩る準備もー。
9月6日、県外から訪れる1万人の選手団を迎えるため、高校生がおもてなしの準備を行っていました。大会を盛り上げようと、農業などを学ぶ県内の高校7校が、会場に飾る花を栽培。このうち鳥取市の鳥取湖陵高校では、緑地デザイン科の2年生16人がねんりんピックのイメージフラワーであるビオラ1000株を育てました。花は、各地のイベント会場や空港などに飾られる予定です。
生徒
「最初は小さいので埋まらないようにして、育てる時は適度に水をあげたり様子を見たり」
「種を入れる作業が細かくてピンセットで入れたりするんですけど、それがすごく難しかった。公共の場にたくさん置いてもらえたらいいなあと思いながら、水やりをやっています」
そして、10月17日。開会式が行われる鳥取市のヤマタスポーツパークには、高校生が育てた花がずらり。本番を前に、きれいに咲き誇っていました。
たくさんの人が大会に思いを募らせ、準備を進めてきた晴れの舞台。スポーツと文化の祭典ねんりんピックは、10月19日から22日まで鳥取県内で行われます。