約60パーセントのドライバーが交通違反!? 信号のない交差点は要注意 時には死亡事故へとつながるその交通ルールとは?
信号機のない横断歩道で約60パーセントのドライバ―による交通ルール違反。時には死亡事故へとつながる恐れもある交通ルールとはー。
記者
「歩行者は待っていますが、車は進みました」
よく見かけるこの光景。これ「違反」です。
鳥取県警交通部交通企画課 仲倉太一 課長補佐
「刑事罰でいきますと、3か月の懲役または5万円以下の罰金。過失の場合でも10万円以下の罰金があります」
また、交通反則金制度では違反点数2点、普通車では9000円の違反となります。対象となるのは、信号機の設置されていない横断歩道。
歩行者優先の横断歩道では、明らかに歩行者がいない場合以外は、横断歩道直前で徐行。横断しようとする人がいる場合は、一時停止をする必要があります。
鳥取市役所前にある信号機の設置されていない横断歩道では、横断歩道を渡ろうとした学生の目の前をかなりのスピードで来た車が停止することなく、通り抜けていきました。また数分後にも、同じ状況がー。この時は、ぶつかる直前で互いの存在に気付き危機一髪でした。
通勤に使う人
「止まらない車は“まあまあ”あります。がっと曲がって入ってこられる車はあるのでそこは気をつけていないと危ないです」
取材班が、鳥取市役所前にある信号機の設置されていない横断歩道で帰宅時間の夕方にかけ2時間調査したところ、歩行者がいるにも関わらず横断歩道を通過した車は253台。そのうち、徐行・一時停止をしなかった車は113台でした。約45パーセントの車が交通違反をしたことになります。2022年度にJAFが行った調査によると、全国平均で約60パーセントのドライバーが信号機の設置されていない横断歩道で止まっていないということです。
また鳥取県警によると、過去6年で信号機のない横断歩道での事故は59件。すべての事故件数に占める割合は少ないですが、毎年10件程度を推移しています。
今年10月には、鳥取市雲山で信号機のない横断歩道を渡っていた高齢男性が、T字路を右折しようとした車にはねられて死亡しました。徐行や一時停止を怠ると、このような痛ましい事故へとつながることも。JAFの調査によると、一時停止をする車は鳥取県では54パーセントと年々上がっていて、島根県も若干下がった年もありましたが、一時停止するドライバーは増えています。
(2024年 車の一時停止率)
・鳥取県54.1%(去年50%)
・島根県57.6%(去年53%)
そんな中、鳥取県警では事故を未然に防ぐため鳥取駅南口に11月、「横断者サポート表示板」を設置。横断待ちの歩行者を自動で検知し、文字でドライバーへ一時停止の必要を知らせます。
鳥取県警交通部交通企画課 仲倉太一 課長補佐
「あそこは、夜間日中に歩行者も車も比較的交通量が多い交差点になっています。埼玉県警でけっこう導入されていて、効果もあるということで鳥取県でも1か所だけ試験的に設置しました」
埼玉県では、この表示板の設置後、停止率が17パーセント上昇の効果があるということです。
鳥取県警交通部交通企画課 仲倉太一 課長補佐
「車を運転する人は早めにライトを点灯する。ハイビームを有効に活用する。歩行者は、明るい服装で反射材を着用、ライトを手に持 って歩く、自分の存在をドライバーに示すことで交通事故の防止に努めていただきたい」
日没が早まるこの時期は特に注意が必要。改めて基本ルールを振り返り、歩行者へ意識を向けることが重要です。