校舎の中の水族館が25年の歴史に幕…「長高水族館」移転を前に 校内で最後の“一般公開日”
校舎の中に水族館を設け25年間、月1回の公開を続けてきた愛媛県立長浜高校。今年春の水族館移転を前に校内では最後となる一般公開が行われました。
全国でも珍しい「水族館部」月一回の一般公開が人気に
長浜高校の教室や廊下に設置された100を超える水槽。全国唯一の「水族館部」が運営する長高水族館です。水の生き物150種類、2000匹を学校の中で飼育し25年間、月一回の一般公開を行ってきました。
しかし…。
重松先生
「ほんとになんかあったかい、あったかい、最後の公開日だったなあ…」
「最後の公開日」とは。
実はこの長高水族館、この春に移転することが決まっています。場所は道を挟んだすぐ隣、大洲市の保健センターです。
ここはかつて、四国初の水族館、町営長浜水族館があった場所。その移転に伴い、校内で行う一般公開はこの日が最後となりました。
長高水族館が誕生したのは今から25年前。西日本豪雨による休校にコロナ禍での一般公開中止などたくさんのことを乗り越えてきました。
重松先生:
「感慨深いものがあるよね」
この日の来館者は400人!生き物を愛する部員たちの接客も魅力
11時。校内で開催する最後の一般公開が始まります。
部長:
「いらっしゃいませ。本日の公開日は皆様ご存じかと思われますが、この水族館で行われる最後の公開日となっています」
部員たち:
「がんばっていこー!よっしゃー」
噂を聞きつけたお客さんがオープンと同時になだれ込みます。
地元女性:
「高校であるのが最後って聞いて、孫も一緒に喜ぶかなと思って」
女の子:
「最後なのでせっかくなので来てみた」
学校の教室で魚が見られるのはこれが最後です。
男子部員:
「どっちがサビウツボでしょう。2匹いますここに、ほら」
男の子:
「タコなんで寝てるの」
女子部員:
「寝てないんよそれ。ずっとこっちを見てね、何してるんだって観察してる」
魚ショーも目玉イベントに!趣向を凝らしパワーアップしてきた
山地知成さん 2年:
「はい、それでは時間になりましたのでイシダイショーを始めていきたいと思います」
イシダイショーとは。
「ドリブルかのようにボールを突いていって、あちらの指定したゴールに入れるというものなんですが」
イシダイにドリブルを覚えさせ、去年生まれた新たな魚ショーです。
山地さん:
「しっかりそれにふさわしいようなショーを、自分はまずそれが大事だと思うので、まずそこで自分ができることをしたいなと思います」
「さあ澪ちゃんはすごい好奇心が旺盛な魚でして、ボールにすごい好奇心を抱きながらボールをどんどん押していき、ゴールに入れる特技を持っています。やりました!拍手お願いします」
しかし、新たな仲間を加えて練習を重ね、長高水族館の目玉ハマチショーの継続に成功しました。
子どもたち:
「がんばーれ、がんばーれ、がんばーれ」
存続の危機を乗り越えながら「25年間やっててよかった」
校内最後の一般公開には今年度最多のおよそ400人が訪れました。
母親:
「新しいとこ行くんですよね。またぜひ来たいなと。思ったより子どもが面白そうに興味深く見てるので」
男の子:
「楽しかった!」
町営の水族館を復活させようという取り組みから生まれた長高水族館。存続の危機を乗り越えながら25年間たくさんの人々を笑顔にしてきました。
そして午後3時。四半世紀の歴史に幕を下ろします。
部員たち:
「ありがとうございました!」
生徒たちと一緒にその歴史を築いてきたのが重松先生です。
重松先生:
「25年間やってて良かったなって今日は100回くらい思いながら4時間の公開日を終えることができて本当にありがたいなと思いました」
部員たち:
「本日はお越しいただき誠にありがとうございます!またのお越しをお待ちしております」
この春、どんな水族館が生まれるのでしょうか。