震度6弱の地震発生から1週間 「お年寄りや子どもをどう守る?」見えてきた課題
愛媛県内で最大震度6弱を観測した地震からきょうで1週間。間もなくGWですが、被災地では現在も復旧作業が続いています。きょうの取材を通じて見えてきたのは、災害弱者と呼ばれるお年寄りや子どもをどう守るべきかという課題でした。
記者:
「宇和島市役所の罹災証明を申請窓口ですが、きょうも続々と申請に訪れる人がいます」
地震から1週間となったきょうも訪れる人の姿が絶えなかった罹災証明書の申請窓口。きょうまでに55件以上の申請が寄せられたということです。窓口の隣には、地元のNPO法人による悩み相談コーナーも設けられています。
宇和島NPOセンター 薬師神理子代表理事:
「ここに来るのは高齢の人が多い。特に単身高齢のかたが宇和島市は多いので、そういう人が1人では対処がしにくいので不安を抱えているので、話を聞いてもらっただけでも落ち着くということで来る人もいる」
薬師神さんによると、罹災証明書を発行する際の写真の撮り方や、高齢でブルーシートをかけられないなどの相談が寄せられているということです。
薬師神さん:
「ちょっとした声掛けの言葉だけでもみなさんが安心してくれたり、解決していくこともあるのでこちらも心を込めて寄り添っていきたい」
きのう、窓口に相談に訪れたこちらの男性。姉が暮らす住宅の屋根の一部が崩れました。
西川さん:
「工務店に話したんですけど全然無理ですと言われたので」
宇和島市内には今回の地震により修繕の依頼が相次ぎ、作業が追い付かない状態の工務店もあるようです。
きょう午後、宇和島NPOセンターのスタッフがかけつけ、ブルーシートで応急処置を行いました。
西川さん:
「一人では無理なんですよね。こんなに早く来てくれるとは全然思わなかったので助かりました」
一方、市内中心部に店を構えるこちらの居酒屋。先週、地震直後には強い揺れによって割れた300枚以上の皿が厨房内に散乱していましたが…
ごはん処お母ん 松島陽子さん:
「みんなで片づけて、壊れた食器が段ボール20個くらいあって、細かな破片があると危ないだろうということで、業者の人に入ってもらって綺麗にお掃除をしてもらった」
調理場では、加工品として販売するタイおよそ60匹を切り身にする作業をきょう再開させました。ゴールデンウィーク期間中は30人規模の予約が複数入っているということですが。
松島さん:
「これ、60枚以上このお皿はあったが、今24枚しかない状態。似たようなお皿を1種類として置いているが、このお皿で対応を、今回間に合わなければ対応する」
残った皿の数に応じてどう料理を提供するのかを検討しながら、GWの完全営業再開に向け着々と準備を進めていました。
また地震後、知人などから話を聞く中で課題が見えてきたと言います。
「特にお子さんなんかも発災時にすごくパニックになって、どうしていいか分からないとなって、気持ちを抑えるのに大変だったという親御さんの声だったり、朝まで寝られなかったという大人も結構いらっしゃったので、私たちとしては心のケアを今週やっていきたい」
NPO法人の代表という顔も持つ松島さん。子どもたちが少しでも気を休められるようゴールデンウィークにイベントを開く計画です。
「色んな課題がみなさん、一週間経ってあるのか。本当に見えてきてなかったものが段々と見えてくると思う。それに対してどういう動きを私たちがするべきなのかということをひとつひとつ考えて、できる対応をしていきたい」