消費者や自治体への影響は? 過熱する“ふるさと納税” 仲介サイトのポイント禁止へ 説明会も
地域の特産品など返礼品が魅力のふるさと納税で、寄付したときに仲介サイトからもらえるポイントが禁止されることになりました。
どのような影響があるのでしょうか?
コンベアで運ばれているのは、オホーツクの名産・大ぶりのホタテ貝柱。
紋別市が取り扱うふるさと納税の人気返礼品です。
事業者は、今回のポイント禁止で出荷量が減少する不安を抱えています。
(丸ウロコ三和水産 山崎和也社長)「去年はかなりふるさと納税で助けられた形なので、それが減る要素があるのは不安ですね」
ふるさと納税は、納税者が自治体や返礼品を決めて寄付します。
納税者は住民税や所得税の控除が受けられ、寄付額の3割以下の返礼品がもらえる仕組みです。
さらに現状では、自治体や返礼品を選ぶときに利用する仲介サイトからも寄付額に応じてポイントがもらえます。
しかし、総務省はこのポイントの禁止を発表したのです。
これを受け、道は急きょ自治体向けの説明会を開催。
制度の変更点などを伝えました。
(道 総合政策部 武藤健さん)「ポイント禁止の件、これをご説明します。寄付に伴いポイント等の付与を行う社を通じた募集の禁止になります」
ふるさと納税の受付額や件数が全国1位になったこともある、紋別市です。
ルールの変更を前向きに受け止めています。
(紋別市 企画調整課 斉藤聖人さん)「ポータルサイトの取り扱い手数料は経費の中でもウェイトを占めているもので、手数料が下がれば経費の負担に恩恵が得られるので、下がればありがたい」
背景にあったのが、過熱する仲介サイトの「ポイント競争」です。
専門家は、ポイントの禁止で自治体が仲介サイトに支払う手数料が下がることが期待されると指摘します。
(法政大学経営学部 平田英明教授)「今回の改革は初めてポータルサイトと呼ばれる民間業者に直接規制をかけるルール、いわば画期的といえる。過度な競争をさせないために今回のポイントをなくすということが行われています。それによって自治体により多くのお金が入ることが期待されています。本来は地方自治体が有効にお金を使って、例えば少子化・高齢化に対処していくことが狙いですので、そういった方向に今回の改正が貢献するのであれば、いい制度改革だったのではないかといえる」
ふるさと納税をしている人の反応はー
(札幌市民)「お米とかトイレットペーパーとか。制度としてあるものなので、自治体によく使ってもらえるのであれば仕方ないかなと思います」
(札幌市民)「ポイントがついたほうがありがたいのでちょっと残念ですけど、ただ制度自体充実しているものなので、そこまで私は気にならない」
過熱するふるさと納税。
仲介サイトのポイント禁止は来年10月からで、その影響が注目されています。