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【どうなる2024】約半世紀続く「西堀ローサ」 テナントは来年3月末までに退店へ 「移転先を探さないと」 今後を心配する関係者も  《新潟》

2024年1月1日 15:00
【どうなる2024】約半世紀続く「西堀ローサ」 テナントは来年3月末までに退店へ 「移転先を探さないと」 今後を心配する関係者も  《新潟》

◆テナントは来年3月末までに退店へ

約半世紀にわたった西堀ローサの営業が来年春、終了することになります。

新潟市の地下街「西堀ローサ」の運営会社はテナント側に来年の3月末までに退店を求める説明会を去年11月、開きました。

反対の意見は出なかったといいますが「これから移転先を探さないといけない」など関係者から今後を心配する声が上がっていました。

去年11月21日朝の西堀ローサ。開店の準備も進む中、テナントの関係者が続々と集まってきました。

〈新潟地下開発 岡澤修社長〉
「きのう臨時株主総会で解散の方針が株主の方に承認されました」

西堀ローサを運営する新潟地下開発が開いた説明会。

去年11月20日の株主総会では2025年の10月までに会社を解散する方針が決まりました。現在営業する約30のテナントに来年3月末までに立ち退きを要請するというのです。

〈新潟地下開発 総務部 金子正夫部長〉
「テナントとは一心同体だからね、気持ちが…なんといっていいかわからない」

非公開で行われた説明会。新潟地下開発の退店を求める方針に反対の意見は出なかったといいます。

すべての店舗の退店をもって約半世紀にわたった西堀ローサの営業は終了することになります。

〈整体店の店長〉
「残念ですね。これから移転先を探したりするのも営業しながらなので、大変だなと」

〈古着店の店長〉
「(店は)なにかの形で継続はしたいのでここでやれれば一番いいがこだわることなく、我々はやっていくしかない」

〈レコード店の従業員〉
「地下に駐車場があってぬれずにレコードぬれるとよくないので買取査定とかでレコード持ってきたり。それをスムーズに運んで持ってきていただけるのはこの立地だからできている。古町で働きたいです。できたらローサがいいです」

◆岐路に立たされたかつて流行の発信地は

新潟地下開発の金子正夫さんです。20代の頃、全国に展開するアパレルショップの店長として東京から西堀ローサにやってきました。

それから30年以上…地下街の盛り上がりも衰退も見てきました。

〈新潟地下開発 総務部 金子正夫部長〉
「我々のお客様はテナントでもある、テナントがいなければ我々は運営できない大切なお客様。お客様に迷惑をかけちゃったなというのは、やっぱり心苦しい。なんでこんなことになったのかというか、(退店まで)まだ1年半ありますから、なんとか奇跡を起きないかなと思っていました」

新潟地下開発は退店に伴う移転の費用などを支援できるかどうか検討していくとしています。

かつて流行の発信地としてにぎわいを見せた西堀ローサ。地下街は大きな岐路に立たされています。

◆地下街ににぎわいを再び

大型店の進出などで客足が年々遠のく中、にぎわいを取り戻そうと去年10月、あるイベントが開かれました。

新潟市の古町地区で年2回開かれている「古町どんどん」。
出店にライブ…。

商店街がにぎわいを見せる中、その下…地下街の「西堀ローサ」では、アルコールを楽しむ人たちの姿が…。

〈訪れた人〉
「楽しいです」
「昼から飲んでるんですけどさすがに夜までは無理かなと」

開かれていたのは「立ち飲みイベント」です。

おしゃれなインテリアが飾られムーディーな雰囲気に様変わりした地下街。
活気づいた西堀ローサに訪れた人は…。

Q)にぎわっている様子をみてどうか?
〈訪れた人〉
「ちょっと懐かしいです」
「人気がない。大昔、高校の時とかはすごいにぎわってたんですけど、最近は全然…シャッターみたいな感じで」

今から48年前に誕生した西堀ローサ。
平成の時代には流行の発信地として多くの若者でにぎわいましたが、郊外に大型店が進出するなどして客足は年々減少…活気が失われていました。

◆「西堀ローサ」で立ち飲みイベントを企画 

イベントを企画した永井大地さんです。

〈永井大地さん〉
「空き店舗のブースの中に飲食店を入れていく、空き店舗の活用方法を目標にしてやっている。ローサに飲食店が入るとこういうような光景になるのかなと提示できた」

現在 西堀ローサは約3分の1が空き店舗となっています。

永井さんは人気の飲食店や居酒屋など魅力のある店舗が増えれば再び地下街には多くの人が訪れると話します。

〈永井大地さん〉
「古町のこの地下街というのは宝であると思ってますし、地下街ってどこの都市にもあるものじゃないですし、貴重なものだと思う。全天候型で気温とか天気とか関係なくできる空間、ここは使わない手はない、全然違う世界に入り込むんだぞというワクワク感があると思う」

地下街への期待感を持ってもらいたい…。今後も様々な企画を定期的に行っていく予定です。

〈訪れた人〉
「普段使わないんですけど、にぎやかで楽しい」

「暗いイメージですよね。これを定期的にやった方が活性化、新潟を考えるのであれば何回もやったほうがいい」

「ローサも古町も久しぶりだし盛り上がってて楽しいなと。こういうイベントとかやっていると、来るきっかけが増えていい」

かつての活気を感じさせた立ち飲みイベント…。週末の西堀ローサにはにぎやかな声が響いていました。

◆新潟市は今後も地下空間を活用する考え

運営会社の解散が決まった新潟市の地下街「西堀ローサ」。
中原市長は去年11月30日、「商業施設での再生は難しかった」と述べた上で今後も地下空間を活用する考えを示しました。

「新潟地下開発」の筆頭株主として公的な支援を行ってきた新潟市。

中原市長は会見で次のように述べました。

【新潟市 中原八一市長】
「大和の撤退、それから三越の撤退などによる古町の低迷、それ以外にも周辺環境の変化も著しく西堀ローサの商業施設としての再生は難しかった」

それでも、西堀ローサには思い入れがあるといいます。

【新潟市 中原八一市長】
「ローサが開店した時はものすごいにぎわいで特別なものを買いたくて古町・ローサに駆けつけていった。学生でしたのでバスケットシューズや洋服とかそういうものだった。『にいがた2キロ』の一角でもありますし、古町地区の繁華街の地下施設でもある。新潟市民がこれまで親しんできた非常に魅力的な場所でありますので、この新潟市にとって貴重な地下空間を今後も有効に活用していく」

新潟市は西堀ローサの今後の活用方法について、市民の意見などを踏まえながら協議していく方針です。