【特集】「魚沼のコメ農家が“絶滅危惧種”に…」平均年齢68.9歳 高齢化と中山間地域の課題 ‟コメ王国”の危機《新潟》

青々と染まった水田…
これが当たり前の光景ではなくなるのかもしれません。
魚沼市のコメ農家、井口勝士さん82歳です。
2024年、一部の田んぼを手放しました。
水の調整年齢とともに体力の限界を感じるようになりました。
あと何年できるのか……
〈魚沼市のコメ農家 井口 勝士さん〉
「やっぱり年齢で、操作の関係もあるし、体力もだんだん落ちていますし。草刈りは年間5回ぐらい刈る。細い道を刈りながら歩くのが一番大変ですね」
「もう2~3年すれば人に委託するより仕方ないですね。自分でできない分、荒らしていくわけにはいかないから、委託して作ってもらう」
コメのトップブランドとして長く君臨してきた魚沼産コシヒカリ。
しかし今、岐路に立たされています。
個人のコメ農家の平均年齢は全国、県内ともに68.9歳。
(出典:農林水産省「2020年農林業センサス」)
企業や公務員などの定年をはるかに上回る年齢層が私たちの主食・コメの生産を支えているのです。
代々続く田んぼでコシヒカリを作り続けてきた桜井弘文さん(88)。
ことし、コメ作りを辞める決断をしました。この田んぼは、市内の別の生産者に引き受けてもらいます。娘夫婦や孫に継いでもらおうとは考えませんでした。
〈魚沼市 桜井 弘文さん〉
「年だて。うちの家内も孫からも『年だからやめて』(と言われた)」
「(トラクターなどいろいろな)機械があったが売っちゃった。業者が買っていった」
Q後継者はいてほしかったですか?
「いや……農家はそれほどだんだん良くなくなってきて。外へ出て勤めた方がいいみたいだ。農業だけじゃだめだね」
見渡す限り田んぼが広がっていた景色は徐々に変わってきました。
時代の流れを感じています。