新年度予算 地震対応に総額176億円を計上 一刻も早い生活再建を 《新潟市》
過去最大となった新年度予算案。中原市長が重点項目として挙げたのが能登半島地震への対応です。思うように住民の生活再建が進まない中、継続した支援が求められます。
地震の前は雪遊びをする孫の笑い声が響いていました。しかし今、その場所には大きな亀裂が入っています。新潟市西区に住む松田正彦さんです。自宅は寺尾地区の高台にあります。
〈新潟市西区 松田正彦さん〉
「すぐでも戻ってきたいとは思っているんですけど、この亀裂を見てしますとなかなか」
去年の元日。新潟市西区では地震による液状化で深刻な被害がありました。寺尾地区では泥水が噴き出し道路が陥没。松田さんの住む地域には避難指示が出されました。
15年ほど前に建て替えた際、地盤を強化していたため、家屋の被害はほとんどありませんでしたが、庭や駐車場は所々で亀裂が入り、日に日に広がっているといいます。松田さんの自宅は1月、 1年ぶりに避難指示が解除されました。2月14日、約1週間ぶりに訪れてみると、亀裂は前よりも大きくなっていました。
〈新潟市西区 松田正彦さん〉
「土砂が下の方に流れていっている、これは大きな問題ですね。小さい地震でもこれが少しずつでも動いてしまうと、建物が影響してくるのかなと」
いまは空き家となっていた実家に身を寄せている松田さん。わが家に戻るため工事の相談をしていますが、地盤改良をした場合は数千万円の費用がかかる可能性があるといいます。
新潟市は修理費用の1200万円を上限にその3分の2を補助していますが、新年度の予算では住宅などの復旧支援について計30億円を超える予算を盛り込んでいます。また、液状化対策を検討しようと、被害の大きかった地区で地盤の調査を行っていて、来年度中に実証実験を行う予定です。その費用に15億円が充てられました。地震関連では計176億円をかけ生活の再建や公共インフラの整備を行い、災害に強い街づくりに取り組むとしています。
〈新潟市 中原八一市長〉
「生活再建の支援や公共インフラなどの復旧、今後の災害に備えて安心安全で災害に強い街づくりに最優先で取り組むために安心安全を第一にいたしました。被災された皆さんをひとり残らず寄り添いながら支援していきたい」
〈新潟市西区 松田正彦さん〉
「雪だるまを作りましたけど、私がきょう作った。写真とって娘の所に送ります」
地震前のように孫が遊びに来られるわが家に…住民は継続した支援を求めています。
〈新潟市西区 松田正彦さん〉
「ここへとにかく戻ってきて、子どもたちとか孫がここで一緒に遊べるような形でつくりたいと思うのが今の気持ちです。エリアごとに行政の方で手をだして地盤の改良をしていただくのが一番いい」
地震から1年あまり。一刻も早い生活の再建を願っています。