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腕をふるうのは「調理師の卵たち」 専門学校生が手がけるレストラン オープンまでの奮闘ぶりに密着 岩手県盛岡市

2024年6月20日 19:04
腕をふるうのは「調理師の卵たち」 専門学校生が手がけるレストラン オープンまでの奮闘ぶりに密着 岩手県盛岡市

 本格的なフレンチ料理、腕をふるうのは「調理師の卵たち」です。岩手県盛岡市に19日オープンした専門学校生が手がけるレストラン。その奮闘ぶりに密着しました。

盛岡市のMCL菜園調理師専門学校。仕込みを続けるのは、調理高度技術学科の2年生19人です。学校で初めて企画された学生レストラン。狙いは、調理師に求められる「プロ意識」や「責任感」を高めることです。

 MCL菜園調理師専門学校 高橋辰弥教務課長
「普段の実習よりも(作業が)お金に変わるんだよというところをしっかり意識してもらえるだけで、料理に対する考え方が一番変わるかなって思います」

 一戸町出身の稲葉美玖(いなば・みく)さん(19)。調理師を目指すきっかけとなったのは、保育園でおいしい給食を作ってくれた先生の存在でした。

 稲葉美玖さん
「一番すごくうれしかったのが、誕生日に作ってくれた限定のちらし寿司がめちゃくちゃおいしくて好きでした。やっぱそういうところに憧れました」

 7月のランチメニューはこちら。岩手県の地元食材、「菜彩鶏(さいさいどり)」でナスを包んだ、蒸し料理の「バロティーヌ」に…。旬のメロンを使ったスイーツ。税込み1000円で提供します。

 5月上旬。この日は、講師が調理を実演しました。下ごしらえ、焼き加減、盛りつけのポイント…。学生たちは調理技術を手に入れようと、レシピにメモを細かく書き込みます。

 店では、全ての仕事を学生が担当します。

 軽米町出身の七戸秀彰(しちのへ・ひであき)さん(19)。マニュアルを見ながら、接客を練習しますが…。

 接客を練習する学生
「いら…いらっしゃいませ。本日は、2名様分のおちょくじを…お食事を準備していいでしょうか」

 お客役の学生
「『よろしいでしょうか?』じゃない?」

 オープンまでひと月余り。この日は、レストランで出すものと同じメニューを学生が実際につくり、弁当や菓子として販売してみました。

 稲葉美玖さん
「話しかけたいんだけど…(モジモジ)う~ん…お菓子ありますよ~…(小声)」

 意を決して声をかけると、足を止めてくれる人が出始めました。中には、お菓子を買ってくれる人たちも。稲葉さん、レストランのPRに、ひと役買いました。

 オープン当日。キッチンは大忙し。接客練習でたどたどしかった七戸さんも…

 七戸秀彰さん
「ただいまお食事をお持ちしますので、少々お待ちください。失礼いたします」

 見違えるように頼もしくなりました。細やかな手仕事が光る料理は、お客さんにも大好評。

 お客さん
「全部おいしかったです。学生が作ったと思えないくらい」「(同行者と)『スプーン欲しいね』言っていたんですけど、聞きつけてすぐ持ってきてくださったので、ホスピタリティもできてるなって思いました」

 稲葉美玖さん
「すごくうれしい、うれしかったです。やっぱ作りがいがあるなぁっと思ってます」「接客もできるし調理もできるような人になりたいと思います」

 それぞれの夢を乗せた学生レストラン。立派な調理師を目指し、これからも階段を上り続けます。

*このレストラン、6月は21日まで営業しますが、すでに予約で満席となっています。7月は、10日から12日までの3日間営業し、8月はお休みです。その後、毎月3日間営業する予定です。