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「指摘受けるまで不備に気づかなかった」 山形市の福祉施設が1200万円余りを過大受給

2024年2月6日 18:20
「指摘受けるまで不備に気づかなかった」 山形市の福祉施設が1200万円余りを過大受給

山形市の福祉施設が研修計画書の作成といった給付要件を満たしていないまま、市から過大に介護報酬を受け取っていたことが分かりました。過大に受け取っていた額は少なくとも1200万円余りに上るとみられ、山形市は返還を求める方針です。

介護報酬を過大に受け取っていたのは、山形市で重度の身体障がい者の訪問介護や視覚障がい者に同行して生活の補助をするサービスを行っている「エッセンシャルケアセンター」と系列の「第2エッセンシャルケアセンター」の2つの施設です。
山形市などの説明によりますと2つの施設では、2021年ごろから去年11月にかけて、山形市から給付される介護報酬のうち、質の高い介護サービスを提供している事業所を評価し加算する「特定事業所加算」について、「研修計画書の作成」や「職員やパートの定期健康診断の実施」、「介護サービス向上に向けた会議の内容を職員全員に周知すること」といった給付を受けるための要件を満たさずに過大に加算分を受け取っていました。この2つの施設は去年12月、山形市の定期監査を受けていて、その際に市の担当者から指摘を受け、過大受給が発覚しました。
過大に受け取っていた額は少なくとも1200万円余りに上るとみられ、山形市は金額を確定次第、施設を運営する法人に全額返還するよう求める方針です。施設を運営する法人の理事長はYBCの取材に対し「市から指摘を受けるまで不備に気付かなかった。意図的ではなく、職員への指導が行き届いていなかった」とコメントしています。
一方、この法人では現在、多額の負債を抱えているとして、山形市への返還の目途が立っていないほか、それぞれの施設で行っていた介護サービスを3月末までに休止するとしています。2つの施設には合わせて30人ほどの利用者がいて、法人は利用者の受け入れ先を探しているとしています。利用者の1人はYBCの取材に対し「同様のサービスを行っている施設は少なく、突然のサービス停止の連絡に戸惑っている。法人から今後についての説明が少なくこれからどうしたらいいのか不安に感じている」と話しています。

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