パリ五輪レスリング女子代表 鏡優翔選手(山形市出身)初の舞台で金メダル獲得目指す
開幕が7月26日に迫ったパリオリンピック。山形県内出身では、5人の選手が出場します。このうち、初の舞台で金メダル獲得を目指す山形市出身でレスリング代表の鏡優翔選手に注目します。山形から声援を送る祖母の思いを取材しました。
6月に訪れたのは、東京の「東洋大学総合スポーツセンター」。
小坂憲央アナウンサー「鏡さん、初めましてよろしくお願いします」
鏡優翔選手「サクランボですか?やったー、大好きです。ありがとうございます」
パリオリンピック、レスリング女子76キロ級代表で山形市出身の鏡優翔選手(22)。去年秋に開かれた世界選手権で初優勝し、オリンピックの切符をつかみました。
小坂アナ「オリンピックを意識し始めたのはいつから?」
鏡優翔選手「レスリングを小学1年生で初めてそのころにコーチに『1番大きい大会は何?』と聞いたことがあってオリンピックと言われて詳しく分かんなかったけどその1番大きい舞台で金メダルを獲りたいと思った」
6歳まで山形で過ごした鏡選手。移り住んだ栃木県でレスリングを始め、中学生の時に、世界レベルのアスリートを目指す「JOCエリートアカデミー」に進みました。高校時代は全国高校総体3連覇。さらに世界ジュニア選手権で優勝。東洋大学に進学し、去年の世界選手権を制しました。
華々しい活躍を続け勢いに乗っている鏡選手。最大の武器は、海外の選手にも負けない体の強さと強烈なタックルです。
小坂アナ「日本女子初の最重量級での 金メダルを期待しますがそこは絶対譲れない?」
鏡優翔選手「絶対譲れないです。私しか成し遂げられないと思っています」
しかし、5月に右ひざの靭帯を損傷するけがをしてしまいます。気になる状態は…
鏡優翔選手「状態は良く早く回復している。落ち込んでいる時間も無いので怪我は必然だと切り替えて筋トレとリハビリをひたすらやっていた」
小坂アナ「前向きなんですか?」
鏡優翔選手「前向きです」
練習場では、鏡選手の背中を追いかける後輩たちの姿もありました。
小坂アナ「どのような先輩ですか?」
JOCエリートアカデミーの後輩「優しくてかっこいい先輩」「分からない所を教えてくれる優しい先輩」「厳しい所は厳しく指導してくれる」「かっこよくて頼りになる先輩」「優翔さんパリオリンピック絶対金メダル」
一方、鏡選手の出身地、山形市では。
カメラマン「鏡選手のおばあちゃん?」
鏡選手の祖母「はい、そうです」
鏡選手の祖母・チエ子さん(75)を訪ねました。お邪魔すると、さっそく、子どものころの写真を広げて見せてくれました。
鏡選手の祖母「わんぱくだし負けず嫌い優しい所もあるし」
山形で育ち、市内の保育園に通っていた鏡選手。当時は一緒にワラビ採りにも行っていたそうで、いまは大好きなワラビの一本漬けやキュウリ漬け、おこわなど、チエ子さん手作りの料理を送っているんだそうです。
鏡選手の祖母「試合があるたびに心臓が弾けるような感じ。けがしないようにそればかり思っている」
そして、オリンピックの代表に決まった去年の世界選手権の時には、こんなエピソードも…。
鏡選手の祖母「世界選手権が終わってすぐ突然家に来た。金メダルとベルトを持って1番先にじじに掛けてあげて」
去年9月の映像「じじ、ただいまー」
この時、祖父の政博さんは、手足が動かしにくくなる難病「パーキンソン病」を発症し、歩くのが困難になっていました。
孫からの突然の報告に喜んでいた政博さんでしたが、ことし2月に他界。オリンピックで活躍する姿を見ることは叶いませんでした。チエ子さんはことし、山形から応援の思いを送ろうと、家の前に鏡選手が大好きなヒマワリを初めて植えました。
鏡選手の祖母「100本ぐらい植えている太陽に届くようにフランスまで大きく咲かせたいと思っています」
そんなチエ子さんから鏡選手へメッセージです。
鏡選手の祖母「優翔、ジジとババだよ。山形で応援しているからね。ジジも一等席でパリまで行くよ。のん太(犬)も応援しているからね。」
カメラマン「オリンピックが終わったら何をご馳走しますか?」
鏡選手の祖母「いもこ汁8月だとサトイモも出るしあとナス漬けとあとお赤飯を炊いてお腹いっぱいなるほど。ジジと応援してるからね山形で」
小坂アナ「いかがでした?」
鏡優翔選手「優勝したあとに食べるいもこ汁が楽しみ。ナス漬けも食べたいしお赤飯も上手なのでお赤飯も食べたい。おばあちゃんの料理全部食べたい」
小坂アナ「山形はどんな場所?」
鏡優翔選手「どれだけ疲れていても山形に帰ったら心も体も100%以上充電できる場所」
今度は、オリンピックの金メダルを持って山形に…。レスリング女子76キロ級、鏡選手の初戦は8月10日に行われます。
鏡優翔選手「オリンピックで金メダルを獲得して日本人初の最重量級の快挙を必ず成し遂げます。応援よろしくお願いします」