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冬季五輪新種目「スキーモ」で出場目指す山形県西川町の女性 ワールドカップやトレーニングに奮闘

2025年2月20日 20:26
冬季五輪新種目「スキーモ」で出場目指す山形県西川町の女性 ワールドカップやトレーニングに奮闘

来年イタリアで開催される冬季オリンピックで新種目として採用される「スキーモ」と呼ばれる山岳スキー競技があります。地域おこし協力隊として活動しながら、「スキーモ」でオリンピック出場を目指す山形県西川町の女性の奮闘にカメラが迫りました。

多くの人でにぎわう祝日のスキー場。その中で、リフトを使わずにゲレンデを登っていく一人の女性がいます。青木聖美さん(29)。スキー・マウンテニアリング通称「スキーモ」の日本女子代表選手です。スキーモは、来年2月にイタリアで開催される冬季オリンピックで新たに正式種目として加わる競技です。競技は、雪山の急斜面を滑り止めをつけたスキー板をはいたまま登った後、滑り止めを外して斜面をスキーで滑走し、タイムを競います。山を早く登る体力だけでなくスキーの高い技術も求められる過酷な競技です。

山形市出身の青木さんはおととし、西川町の地域おこし協力隊員に着任。町の魅力を動画でPRする活動に取り組んでいます。スキーモと出合ったのは去年1月。

青木聖美選手「さとちゃんがオリンピックに出られそうな競技見つけたって連絡あって、それですぐ選手登録した」

もともとスキーやマラソンなど運動が好きだった青木さん。友人から勧められ「勢い」でスキーモを始めたといいます。
すると、めきめきと実力をつけ、3か月後の日本選手権では3位に輝く快挙を果たします。競技を始めてわずか半年足らずで全国から数人しか選ばれないワールドカップ女子日本代表選手になりました。東北地方で日本代表に選ばれているのは青木さん、ただ1人です。

現在は来年の冬季オリンピックの代表選考を兼ねたワールドカップに挑戦しています。ワールドカップに出場しているいま、世界のレベルの高さを肌で感じています。

青木選手「(順位は)後ろから数えた方が全然早かった。もうコテンパンにやられてきた。自分が適応できなかったというか、経験が浅かった」

これまで、ワールドカップには4試合出場するもいずれも予選落ちしています。そんな中でも、気持ちは前向きです。

青木選手「レース中に自分との戦いに勝てたことがよかったと思う。結果的には予選も通過できなかったのが残念ですけど、それが自分の実力なんだって本当によかった」

夏は走り込みを中心に足腰の強化に取り組みました。冬の間はほぼ毎日、雪山でハードな実戦トレーニングに励んでいます。この日は午前中だけで、合わせて10キロあまり坂を登りました。

練習している山形県上山市の蔵王猿倉スキー場は、小学生の頃、スキーのクラブチームに所属し練習に励んだ場所で、なじみ深いスキー場だといいます。

青木選手「いつも練習終わったらジンギスカン丼。ここのジンギスカンが大好きで、子どもの頃から」「(この味は)ご褒美だ!」

日々、地道な努力を続ける青木さんをクラブチームの後輩たちも応援しています。

クラブの子どもたち「山って酸素薄いので、きついと思います」「(挑戦して)すごいと思う。(雪山での)走り込みがすごい」「すごい早くて、タンタンタンタンって。頑張ってくださいっていう思いです」

蔵王猿倉スキー場・川口豊社長「世界の壁は本人が一番感じていると思うんですけど、我々から見ても世界に行くだけでも素晴らしいので。ただ、その世界を相手に、少しでも前に。聖美ちゃんだったらできますよ。負けず嫌いだから。日本からみんなで応援してます」
青木選手「ありがとうございます!頑張ります!」

青木さんはいま、ワールドカップ出場のためヨーロッパに滞在しています。「スキーモ」のオリンピック代表選考はことしの年末まで続きます。オリンピック出場を目指し、代表選考のレースに挑み続けます。

青木選手「みんなに支えられている。ほんとに感謝です」「楽しまないと、ただただつらい競技なので、そのつらさも全部楽しんで。ワールドカップや世界の感じも楽しんで、自分のレースにしていきたい」

競技を始めてわずか1年で世界の舞台で戦う青木さんの挑戦に注目です。

最終更新日:2025年2月20日 20:26