形変えながら… 大善寺・藤切り祭 「伝統守る」住職の思い 山梨・甲州市
甲州市勝沼町の大善寺で5日に行われた、1000年以上続く伝統の「藤切り祭」。
今年から見どころの一つだった「ふじのツルの奪い合い」を取りやめるなど、祭りの内容が変更されました。
その理由とは?
大善寺の藤切り祭は約1300年前に修験道の開祖とされる役小角が災いをもたらす大蛇を退治し、民衆を救ったという伝説にちなんだ伝統の祭りです。
新型コロナの影響で中止となるまでは毎年5月8日に開催されていましたが、地域の少子高齢化が進む中、祭りの担い手や参加者が減少。
このため、大善寺ではほかの地域からも参加しやすいように、今年から開催日を大型連休中の5月5日の「こどもの日」に変更しました。
5日は稚児の舞などが披露された後、山伏姿の修験者が高さ4メートル以上ある御神木に登り、大蛇にみたてたツルを切り落としました。
従来は切り落とされたツルを参加者で奪い合うのが祭りの山場となっていましたが、コロナ禍の2020年から中止に。
そして今年から「ツルの奪い合い」は正式に取りやめ、切り落とされたツルは厄除けとして訪れた人たちに配られました。
大善寺 井上哲秀 住職
「今年から(日程を)5日に変えたのですが、この地域も高齢化で若い人が入ってくれればいいのですが、奪い合いをさせるとなかなか大規模になってしまう。そんな流れの中ですが伝統の行事だけはしっかり守りたい」
時代に合わせて形を変えながら、伝統の祭りはこれからも続いていきます。