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【ナゼ】ゴミ出しの悪質なルール違反に福島市長が怒り心頭!違反ゴミを捨てた人を特定?さらに公表も!? 「そこまでしなくても…」新条例制定で果たして改善に向かうのか―?

2024年12月12日 8:00
【ナゼ】ゴミ出しの悪質なルール違反に福島市長が怒り心頭!違反ゴミを捨てた人を特定?さらに公表も!? 「そこまでしなくても…」新条例制定で果たして改善に向かうのか―?
違反ゴミを捨てると特定&公表?

 住民一人一日当たりのゴミの量が全国ワーストの福島県。ゴミ出しの悪質なルール違反に福島市長が憤慨!新条例制定で『ゴミの開封』や『氏名公表』も?誰が・どこで・どんな方法で・個人のゴミを開けるのか?プライバシー保護という高い壁を、福島市はどう乗り越える?

■福島市で深刻化する違反ゴミに市長が新条例制定へ 世間は反対意見多数も、ゴミ清掃芸人・滝沢さんは注意喚起「直らない人は、徹底的に直らない」

 人間が生活する中で必ず生み出してしまうゴミ。そのゴミ出しのマナーの悪さに、怒り心頭の市長がいます。実は今、福島市は、深刻化するゴミ出しのルール違反に直面しているといいます。

(福島市・木幡浩市長)
「不適正なゴミの排出をして、その人たちはそれで許されるんだと。適正に処理される方に、申し訳ない。ゴミの適正排出を“市民の責務”として、明確にしたい」

 2022年度、国民一人が出すゴミの量は平均で一日880gですが、福島県は富山県と並ぶワーストの1021g。中でも福島市は、県平均を大きく超える1080gで、全国平均よりも一日200gも多くゴミを出しています。

 さらに、福島県のリサイクル率は12.8%と、全国46位。一方で、富山県は21.5%で、全国12位です。つまり、福島市民は年間で一人当たり、全国平均より73kgも多いゴミを捨てていることになるため、木幡市長は状況改善のため、思い切った策に出ました。

(木幡市長)
「違反ゴミの“開封調査”ができるという形に、規定を盛り込む。勧告に従わない場合には“公表”」

 “悪質な違反”の場合は、まずルール違反のゴミにシールを貼って警告し、改善しなければ『市職員がゴミを開封』します。そして『個人・事業者を調査』し、特定できれば『改善勧告』を行います。それでも改善されなければ、『氏名や事業者名を公表する』といった内容を盛り込んだ条例を、2024年内に議論し、これが通ると、2025年3月以降に施行される予定とのことです。

 なぜ、開封調査の条例化を進めているのかというと、福島市の木幡市長は「ゴミ自体が個人の所有物とされると、法律上、開けることに限界がある」とのことで、条例に盛り込む方針を示しました。

 この対策について、街の人々はどう捉えるのでしょうか。東京・有楽町で聞いてみると―。

(神奈川県在住)
「それ、ちょっと嫌な感じはしますけどね」

(東京都在住)
「そこまでしなくても、なにか方法はあるんじゃないかなって」

(埼玉県在住)
「家庭のゴミだと、色んなゴミが出るじゃないですか。プライバシーのものもあるでしょ。名前を確認するっていうのも、問題あるかなとは思いますよね」

Q.どこまでなら許せますか?
(兵庫県在住)
「注意喚起までですね」

(東京都在住)
「名前より、罰金のほうが効果あると思います」

 圧倒的に反対意見が多いという結果になりましたが、こんな意見も…。

(マシンガンズ・滝沢秀一さん)
「僕は、いいと思います。というのは、僕も13年間ぐらいゴミを回収しているんですけれども、直らない人は、本当に、徹底的に直らないんですね」

 お笑い芸人・マシンガンズの滝沢秀一さん。13年前にゴミ収集会社に就職した滝沢さんは、ゴミと向き合う日々を、妻と二人三脚で漫画化に。ゴミ清掃芸人として、現場の実情を発信し続けています。

(滝沢さん)
「ゴミって伝染すると思っていて、きれいな所はずっときれいだし、汚い所はどんどん汚くなっていくという状況なんです。“名前を公表する”ことによって、本人の耳に届ける、そういったことって僕は大切なことだと思います」

■『開封調査』を行っている千葉では焼却ゴミが3分の1減!しかし問題になるプライバシー保護やコストなど…人手ばかりがかかり結果が出ない可能性も?

 すでに取り組みをしている所もあります。例えば千葉市ですが、2011年から、この『開封調査』というのを開始していて、違反ゴミには『回収しない・警告文を貼り付ける』といった対応をしています。改善がなかった場合、『開封調査』を行うということですが、ルール違反が続くと、2000円の支払いを求められます。このような様々な対策を講じたことで、結果的に焼却ゴミが3分の1減少したといいます。

 そして、プライバシーについてですが、福島市の担当者は、「すぐに開封するわけではない」としています。この違反ゴミは、市長が指定する市職員が、『市民の目に触れない空間で開封』するとのことです。

Q.ゴミを開封して、もう一度仕分けるとなると人手もかかり、その自治体の税金を使うという話にもなりませんか?
(津田塾大学教授・萱野稔人氏)
「結局、どちらがコストが安くなるかという話は、あると思います。その人手を使ってゴミを調べるということと、ゴミが分別されてないと、その処分にものすごく時間やお金もかかりますから、その分、余計なコストがかかってくるとも言えます。最近は宅配便などが来ても、シールで名前が剥がせるようになっていて、開封しても、誰のものか分からないこともある。人手ばかりかかって、あまり効果がないという可能性もあります」

 ゴミ袋を有料化にして、ゴミを減らしている所などもありますが、福島市にゴミ袋有料化について聞いてみると、「負担を市民にかけるのは、申し訳ないという思いもあり、今、それは考えてない」とのことです。

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年11月22日放送)

最終更新日:2024年12月12日 8:00