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【独自解説】“自殺ほう助”市川猿之助被告「懲役3年・執行猶予5年」の判決 復帰への道のりについて「まずは裏方で『演出家・猿之助』として仕事することが期待されている」

2023年11月17日 19:00
【独自解説】“自殺ほう助”市川猿之助被告「懲役3年・執行猶予5年」の判決 復帰への道のりについて「まずは裏方で『演出家・猿之助』として仕事することが期待されている」
市川猿之助被告に「懲役3年・執行猶予5年」の判決

 両親への「自殺ほう助罪」に問われていた歌舞伎俳優・市川猿之助被告。2023年11月17日、東京地裁は「懲役3年・執行猶予5年」の判決を言い渡しました。元検事の弁護士・亀井正貴氏、芸能リポーター・城下尊之氏の解説です。

執行猶予付き有罪判決…「周りの人たちの支援の姿勢」が量刑に影響か

 「懲役3年・執行猶予5年」の理由について、東京地裁・安永健次裁判長は、「被告人が両親の自殺をほう助した動機というのは、非常に短絡的で自分のことしか考えておらず、視野も狭いものになっていた。動機も、汲むべき事情が多いとは言えない。ただ、被告人の母親の妹(叔母)が『刑務所に入らないでほしい』といった嘆願書を出している他、周りの人も多く更生を支援する意志を表示しており、さらに本人も反省の意志を示していることから、執行猶予が相当だ」という趣旨の話をしました。

Q.周りの方々が支援の姿勢を示したことは、量刑に影響がありますか?
(弁護士・亀井正貴氏)
「量刑に影響を及ぼしています。職業的なところで、今後の更生の期待や可能性などは考えていると思います」

 猿之助被告が問われた「自殺ほう助罪」とは、「自殺を決意している人に方法を教えたり、用具を提供するなど、自殺行為を援助したり促進する罪」のことで、6か月以上7年以下の懲役または禁錮となります。亀井氏によると、「一人に対する自殺ほう助罪ならば、執行猶予が付くケースが多い」ということですが…。

Q.今回は二人ですが、執行猶予が付きましたね?
(亀井氏)
「『自殺ほう助罪』という類型に当たる以上は、二人でも執行猶予が付くという基準が示されました。判例になった、と思っていいです。『自殺ほう助罪』『同意殺人罪』『単純殺人罪』の順で罪は重くなっていきます。『自殺ほう助罪』は、罪は一番低いですが、今回の案件はその中でも悪質な部類に属すると思いますが、それでもこの判決だということです」

猿之助被告の今後は?「表舞台に出るのは執行猶予明け、それまでは裏方で」

 捜査段階の供述として、猿之助被告は「自分には、歌舞伎しかないと思った。許されるのであれば、歌舞伎に関わっていきたい。歌舞伎で償っていきたい」と話していたことが、初公判で判明しました。そして、裁判の最後には、「両親はじめ、ファンの皆様、多くの方々につらい思いをさせ、傷付けてしまったことは、消すことはできません。支えてくれている皆さんには、感謝の思いです。この反省、申し訳なさ、感謝を一生背負っていく。もし僕にしかできないことがあればさせていただき、生きる希望にしていきたい」としました。

Q.執行猶予中でも、仕事をしていいんですよね?
(亀井氏)
「何ら問題ないです」

Q.今後については、どうなるのでしょうか?
(芸能リポーター・城下尊之氏)
「猿之助被告は歌舞伎の世界でずっと生きてきたというのがあって、歌舞伎界も関係者も『戻ってきてほしい』ということもあり、まず“お詫び行脚”といいますか、先輩の歌舞伎役者や関係者にお詫びとして挨拶して回るというのは、もちろんあります。ただ、今の芸能界の風潮だと、執行猶予が明けてから表舞台に出てくることが多いので、まずは裏方で、演出家として仕事をしたらどうなのか、それをしていいのか、世間がどう見るのかです。もし難しそうなら、若手の歌舞伎役者にアドバイスをするとか。『執行猶予が明けたら、すぐにでも舞台』とするためには、それ以前の段階で裏方として『演出家・猿之助』というのがあれば、仕事はしているんですよということになり、そこからやりやすいです。演出家として特出しているので、みんな期待しています」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年11月17日放送)

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