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フィンランドとスウェーデン「NATO加盟申請」 マリウポリでは製鉄所から兵士の退去続く “捕虜の交換”は不透明

2022年5月18日 18:54

日本時間18日午後、フィンランドとスウェーデンがNATO(=北大西洋条約機構)への加盟を申請しました。一方、ウクライナ南東部マリウポリの製鉄所では戦闘任務の終了を受けて、兵士の退去が続き、ウクライナ側は捕虜の交換を求めていますが、ロシア側が応じるかは不透明です。

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18日もウクライナは戦火に包まれています。

東部ドネツク州とされる映像には、集合住宅が攻撃を受け、被害にあった子供を救助する様子が映されていました。

「いい子だね。意識を保って! 手を動かして」

「彼は生きている!」

──住民は全員中に?

「全員中にいました。子供たちも」

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ロシアによるウクライナへの侵攻開始から3か月が経過しようとしています。

ロシアが制圧を宣言している南東部マリウポリでは、新たな動きがあります。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、日本時間18日朝、自身のSNSに公開した動画で「アゾフスタリ製鉄所からの避難作戦は、我が軍などの監督下で続いている」と述べました。

製鉄所に残り、最後まで戦い続けていたウクライナ兵が「防衛任務の終了」を受け、退去したのです。中には負傷し、担架で運ばれる兵士も見られました。

ロシア兵
「ポケットには何が?」

ウクライナ側兵士
「銃が。でもトラックに置いてきました」

ロシア国防省は「重傷の兵士約50人を含む、265人が投降した」と発表しました。事実上、マリウポリが“陥落”したことを意味します。

兵士らはバスに乗り、親ロシア派の支配地域へと移動しました。ウクライナ側は捕虜のロシア兵との交換を求めていますが、ロシアメディアは「ウクライナ兵を尋問する」と報じていて、ロシア側が応じるかは不透明です。

製鉄所からの退去を受けて、アメリカ・NBCは「ロシアにとって侵攻後初めて、ウクライナの主要都市を支配する勝利になった」と伝えています。

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国際秩序を揺るがしたウクライナへの侵攻を受け、日本時間18日午後3時すぎ、フィンランドとスウェーデンはNATOへの加盟を正式に申請しました。

NATO・ストルテンベルグ事務総長
「歴史的な瞬間だ」

ただ、NATO加盟には加盟する30か国の承認が必要で、トルコは、テロ組織に指定している国内のクルド人組織を、2か国が「支援している」と主張し、「加盟を認めない」としています。スウェーデンとフィンランドは、トルコとの直接交渉を始める方針です。

18日には、アメリカのブリンケン国務長官がトルコの外相と会談予定で今後、難色を示すトルコを説得できるか焦点です。

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