山田洋次監督 91歳「僕の生活なんです」 上海国際映画祭で語った映画作りに対する思い
山田監督にとって90本目となる映画『こんにちは、母さん』(9月1日全国公開)は、映画祭の最高賞にあたる『金爵賞』(ゴールデンゴブレット賞)を競う長編コンペティション部門にノミネート、公式上映されました。
映画は、東京の下町を舞台に現代を生きる等身大の家族を描いた作品。母・福江を吉永小百合さん、その息子・昭夫を大泉洋さん、昭夫の娘で福江の孫・舞を永野芽郁さんが演じています。
授賞式中に行われた監督挨拶では「僕にとって上海国際映画祭は本当に懐かしい映画祭です」と話し、「実は今回、渡航するか悩んだ時間もあったのですが、やっぱり来たくなって来ました。もしかしたらこれが最後になるんじゃないかと思ってます」とコメントしました。
■「僕の生活なんです映画は」
また山田監督は、映画『東京物語』などで知られる映画監督・小津安二郎さんからの言葉に触れつつ、「かつて小津安二郎という監督が “僕は豆腐屋だから、豆腐に近いものは扱えるけれども、豆腐に縁のないハンバーグステーキを作れと言われたって僕は出来ないんだ” そうおっしゃったことがあります」といい、その言葉を解釈するように「豆腐屋と同じだと言ったのはつまり、映画を作るのは僕の職業だという意味だと思うんだけれども、そういう意味では僕も豆腐屋さんが豆腐を作るように、僕は映画を作ってきたという気持ちがします。僕の生活なんです映画は」と、映画作りに対する思いを明かしました。