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吉田鋼太郎、蜷川さんの後任で芸術監督に!

2016年10月15日 13:33
吉田鋼太郎、蜷川さんの後任で芸術監督に!

 俳優で演出家の吉田鋼太郎(57)が舞台作品「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の2代目芸術監督に就任することになり15日、都内で記者会見を行った。

 シェイクスピアの戯曲全37作品の上演を目指す試みで、初代芸術監督である故蜷川幸雄さんのもと、これまで32作品を上演。吉田は後を継ぐ形で、未上演の残り5作品を手掛けることになった。
 吉田は蜷川さん演出のもと、第13弾「タイタス・アンドロニカス」(2004年)で初主演を務め、それ以来、同シリーズ12作品に出演している。

 蜷川さんが亡くなる1カ月前、病床で蜷川さんが関係者を前に「鋼太郎が役者の面倒を見てくれるのを含めて、残り(の作品)をやってくれたら本当に安心なんだがなぁ」と語るなど、吉田に絶大な信頼を寄せていたことから今回の抜てきに至ったという。
 大役を任された吉田は「蜷川さんから受け継いだ血と、僕に流れている血と、両方を融合させた演出をしていくことができれば」と語り、「蜷川さんからきちんと受け継いでいかなければいけないのは“言葉(の大切さ)”だと思う。俳優が言葉をしゃべらなければ蜷川さんの(舞台)セットも演出もすべてが台無しになる。蜷川さんも一番それを分かってらっしゃって『(俳優は)しゃべらなければダメだ、とにかくシェイクスピアではしゃべらなければダメだ』とおっしゃっていましたので、そこだけは受け継いでいきたい」と力強く宣言した。

 就任1作目となる悲劇「アテネのタイモン」は来年12月に上演予定。
 演出のほか主演も務める吉田は「非常に変わった芝居で、日本でもほぼ上演されたことがない(作品)。演出は考え中ですが、メンバーに関しては蜷川さんのところでやっていた人間(=俳優)もたくさん使ってやっていきたいと思います」と話した。