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“性的シーンを安心安全に” インティマシーコーディネーターを取材 映像業界はどう変わるのか

2022年6月8日 23:15
“性的シーンを安心安全に” インティマシーコーディネーターを取材 映像業界はどう変わるのか
インティマシーコーディネーターの浅田智穂さん
映像業界での性加害が相次いで告発され、映画制作現場でのあらゆる暴力やハラスメント撲滅に向けた活動が広がりを見せている昨今。映画制作での新たな役割として注目されている“インティマシーコーディネーター”とはどんな存在なのか。そのひとりである浅田智穂さんに日本テレビの黒田みゆアナウンサーが話を聞きました。

■映画業界におけるインティマシーコーディネーターの役割とは

今年4月には、是枝裕和監督や西川美和監督などが立ち上げた『映画監督有志の会』から、日本映画製作者連盟に対してハラスメント防止などを目的とした提言書が発表されました。その中のひとつに“キャスト保護のためのインティマシーコーディネーターなど新しい取り組みの導入の検討をしてほしい”という内容も含まれています。

世界には複数のインティマシーコーディネーター団体があり、浅田さんはアメリカのIPA(Intimacy Professionals Association)という団体に所属しています。トレーニングを受け、団体から認定されたことで、インティマシーコーディネーターの資格を取得しました。現在、IPAに所属する日本人はわずか2人となっています。

――そもそもインティマシーコーディネーターとはどのような仕事ですか?

映像制作において、俳優がヌードになったり、肌の露出が多いシーン、それから疑似性行為をするシーン、身体的接触があるシーン、そういった性的なシーンを“インティマシーシーン”と呼ぶのですが、そのようなインティマシーシーンの撮影時に、俳優の身体的・精神的安心安全を守りつつ、監督が思い描くビジョンを最大限実現させるためにサポートします。

――具体的に仕事の内容としてはどんなことをするのですか?

例えば、台本に“キスをする2人”、ト書きに“激しい”とあった場合、監督に「この“激しい”というのは、どのぐらいの激しさを望まれているのか」ということを確認するんですが、もちろんそこまでの話の展開や、どういったキャラクターが物語の中で展開されて、ここまで来たのかということも考えつつ、情熱的な激しさなのか、少し暴力的な激しさなのか、本当に唇、口を開くか閉じているか、それから舌を入れるのか、舌を絡めるのか、そのとき手はどこにあるのかなどヒアリングします。

――そんな細かいところまで全部確認するんですか?

はい、お聞きします。大体のカメラで映す画角がわかると、例えば腰に手を回しているけれども、そこは映っていないとなれば、必要ではない露出や動きが出てきます。男女のキスシーンで、男性の方が激しい(演出の)場合だと、もしかしたら男性は腰に回した手に力が入る可能性があります。でも、女性の俳優の方が、もしそれが嫌な場合、映っていなければ、我慢しなくていいわけですよね。「必要以上の密着があったら嫌だな」と思われる方もやっぱりいらっしゃるので。本当に細かく伺いますね。
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■インティマシーシーンにおける浅田さんからの『3つの約束』
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