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元宝塚・瀬戸かずやは「男友達」、飛龍つかさは「忠犬」……明日海りおからのメッセージ

2022年11月10日 20:00
元宝塚・瀬戸かずやは「男友達」、飛龍つかさは「忠犬」……明日海りおからのメッセージ

宝塚歌劇団・花組男役スターの瀬戸かずやさんと飛龍つかささんに元トップスターの明日海りおさん、元トップ娘役の仙名彩世さんからのスペシャルなメッセージが届いた。サプライズに驚く両人。熱烈な宝塚ファンである日本テレビアナウンサーの安藤翔アナ(妻が元タカラジェンヌ)、中島芽生アナ(宝塚音楽学校を4回受験)の2人が迫った。(・中・後編の中編)

(中島アナ):お二人には完全にサプライズなんですけれども。実は瀬戸さんと飛龍さんにメッセージをいただいております。元花組トップ娘役・仙名彩世さんです。

(瀬戸さん・飛龍さん):ええーっ!

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【仙名彩世さんインタビュー】
――瀬戸かずやさんについて

「瀬戸さんご自身が、現役の方もご卒業されたOGの方からも『花組頼んだぞ』と『花組の男役は任せたぞ』と言われていらっしゃった方なので、本当にそれをずっと背負ってこられた方っていうのがありますね」

「『EXCITER!!』 の初演の時にハバナという場面で初めて瀬戸さんと一緒に組んで踊らせていただいたんですね。憧れの先輩ですごくうれしくて、気合いを入れて日々お稽古していたんです。舞台が始まってから急に『あ、これ私、瀬戸さんのファンの方に見られている』っていう意識がいきなり生まれたんですね。もっと素敵にならなきゃと思いました。隣にいていいんだと思っていただける娘役にならなきゃって。娘役としての意識が高まったのは、それがきっかけでした」

「情も厚く、みんなの面倒を見てくれる、ずっと気にかけてくれるので私自身もすごく助けられました。たくさん素敵な言葉をいただいていたので心の支えですね」

――飛龍つかささんについて

「つかさは花組配属になって初めての公演が『フォーエバー・ガーシュイン』というバウホール公演。芹香斗亜さんが主演で、私がその時初めてヒロインをさせていただきました。その時に最下級生で入っていたんですね。初組子なのにもうちゃんとセリフももらっているし、役ももらっているし、ちゃんとやるんですよ。初組子で初めてセリフをもらって、ここまでやる子ってなかなか見たことない。「これからが楽しみだ」というのが第1印象です。結構もう貫禄もある。その貫禄たっぷりで来たつかさに対しては何かちょっと同じ匂いを感じたといいますか。貫禄もあるんですけど、何かクシャッて笑うんですよ。だからそのギャップもまたかわいいなって。その笑顔や挨拶の明るさに、すごく私も元気をもらってきました」

――お二人はコロナで大変な状況の中で退団されました。

「どんな気持ちなんだろうと、いつも思いをはせていましたね。無観客の配信になったり、公演中止が続いたりする中でも、卒業は宝塚人生において、自分の人生においてもすごく大きなこと。限られた中でもしっかり舞台を務めて全うしてご卒業されていったお二人は、すごく素晴らしいなと思います」
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(中島アナ):瀬戸さんは心の支えで娘役としても意識が変わったと話されていました。

(瀬戸さん):いやあ、びっくり。仙名彩世さん、私はゆきちゃんと呼んでいるんですけど、ゆきちゃんは本当にいろんな作品をご一緒しましたし、さきほど言っていたハバナという場面で初めて(一緒に)踊って。下級生とはいえ情熱的な子なので、私も一緒に踊っていて楽しかったなって思いはありました。まさかそんなふうに思っていたとは。

(中島アナ):飛龍さんのことを「元気の源」だと。

(飛龍さん):本当に完全サプライズで驚きました。ハバナのお話を聞いて、仙名さんの娘役力は本当にすごいと入った時から思っていたので、その始まりが瀬戸さんだと聞いて「ああやっぱり尊敬できる」と思いました。うれしいです。

(安藤アナ):一方で仙名さんは「同じような貫禄」と。

(飛龍さん):恐れ多いです。『フォーエバー・ガーシュイン』の仙名さんのお姿が素敵すぎて、仙名さんのお芝居と歌を見て泣いていたんです。本当にずっと素敵な方でした。うれしいです。ありがとうございます。

■明日海りおさんからのメッセージ

(中島アナ):そしてもうお一方。元トップスターの明日海りおさんからメッセージをいただきました。代読をさせていただきます。

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――瀬戸かずやさん
「あきら(瀬戸さん)は、私にとっては『男友達』のような人です。楽屋でも稽古場でもいつも隣かすぐ後ろにいてくれて、他愛もないことでゲラゲラ笑ったり、2人して娘役さんがかわいいという話で盛り上がったり…もちろん真面目に熱く花組や男役、芝居について遅くまで語り合ったり。『なんでもするので何かあったら言ってくださいね!』と事あるごとに言ってくれていました」

「上級生からも下級生からも信頼の厚い人で、私も沢山助けてもらいましたが、あまりに疲れがたまってくると途端にぼけはじめる時があって、とても愛おしかったです!」

――飛龍つかささんへ

「つかさは私にとって…ごめんなさい。『忠犬』のような人です。最下級生のとき、しゃんとした姿勢を絶対崩さず、先生の言葉を聞き逃すまい、上級生の素敵なところを見逃すまいと、食い入るように稽古場をみていたのが印象的で『ものすごいガッツのある子だ!』と思ったのが昨日のことのようです。ひと公演ごとに、レベルアップをちゃんと提示できる勢いのある若手さんでした」

「特に、『MESSIAH』『 ハンナのお花屋さん』『CASANOVA』の公演では、私が一言も言わなくても、『今の芝居、やりづらかったですよね! 工夫してきます!』と言って下級生を束ねたり同じ場面の仲間と相談してくれたり。礼儀正しく頼もしく、熱く、私にとってはかわいいひとです」
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(瀬戸さん):ありがとうございます。うれしすぎる。本当に学年が近かったので、自分がトップスターの方とこんな近い距離にいることがなかったんです。そのトップの方を支えるにはどうしたらいいんだろう、日頃どう過ごしているんだろう、何を考えているんだろう、と。近くで感じられることもある。そこをうまいこと(下級生との)橋渡しや何かできることはないかなと考えていました。

大きなことはしていないですけど。とにかく「何かできる人がここに座っています」とみたいな(存在でいたい)とはずっと思ってはいたので。確かにいろんなお話もしましたし、いろんなところへ行きましたし。

(中島アナ):ただ途端にボケ始めるときもあるんですね。

(瀬戸さん):そういうこともちゃんと見てちゃんと温かく見守ってくれる。笑い飛ばしてくれる温かい方です。

(中島アナ):そして飛龍さんにもメッセージを。

(飛龍さん):うれしい! 『忠犬』と言ってくださるとはこんなうれしい気持ち。みりおさん(明日海さん)の忠犬になれる人生で良かった。

(中島アナ):それぐらい素敵なトップスターさんでしたか。

(飛龍さん):はい。私の新人公演時代はずっと明日海さんがトップさんでした。私の宝塚人生の半分以上。切っても切り離せないトップさんなんです。本当にお優しくて飾らなくてナチュラルでいてくださる。みりおさんと一緒にお芝居させていただく時に感じたのは、みりおさんの呼吸は役でする生の呼吸。その呼吸のされ方をするのを、私は明日海さん以外で見たことがなかった。「あ、この方からお芝居を学びたい」と思ったことを覚えています。本当にありがとうございます。

■「スペシャルオブスペシャル」な退団公演

(安藤アナ):飛龍さんは退団されてまだ間もないという時期です。

(飛龍さん):まだ1か月ちょっとぐらいしか経っていないんですけれども、ご覧の通り全然(男役が)抜けてなくて。バタバタと過ごしているんですけれども、実感を持てるのは次の花組さんの大劇場公演を客席から見た時なのかなと。次のバウホール公演と全国ツアー公演も観劇させていただく予定なのですが、その時はまだ半分タカラジェンヌみたいな気持ちにしかなれないだろうなと思っていて。それは楽しみというか寂しいというか、少し不思議な気持ちです。心強いあきらさんの方になだらかに歩いていけたらいいなと思っています。

(中島アナ):退団公演はコロナの影響もあって、たくさん休演があってという中でしたが、どのようにお感じになっていましたか。

(飛龍さん):観劇を楽しみに待ってくださっていたお客さまに、今すぐ会いに行きたい気持ちでうずうずとしておりました。千秋楽はお客様の前で行われたことも特別ですし、その日できたことも特別ですし、久しぶりの舞台ということも特別でした。特別が重なり過ぎて私にとっても最後の宝塚人生の日というもうスペシャルオブスペシャルデー。

そんな日にアドリブで(柚香光さんが)いつも絡んでくださっていたところで、頬に優しく、すごく優しく(手をほほに)添えてくださったので、思わず右足が上がっちゃいました。

(瀬戸さん):これ、まさに忠犬のようだったよね。

(飛龍さん):本当ですね。この穏やかな柚香さんの愛情ある眼差しに、懐に飛び込んで甘えさせていただいて、素晴らしい景色を見させていただきました。本当に再会をずっと諦めずに待って待ち望んでくださっていたお客様があってできた公演なので、本当に皆様に感謝の気持ちでいっぱいですし、こうした場をお借りして感謝の気持ちを伝えられることが本当にありがたいですし幸せに思います。

(後編へ続く)


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アプレジェンヌ 〜日テレ大劇場へようこそ〜』は日テレNEWS24のシリーズ企画。元タ カラジェンヌをお招きし、日本テレビアナウンサーで熱烈な宝塚ファンである、安藤翔アナ(妻が元タカラジェンヌ)、中島芽生アナ(宝塚音楽学校を4回受験)の2人が、ゲストの宝塚時代・退団後の生き方に迫ります。次回ゲストは元宙組トップスターの凰稀かなめさんです。