元AKB48島田晴香 セカンドキャリア支援「アイドルにならなければ良かったと思わないで」
■「苦しかった」アイドルから会社員への転身
島田さんは17歳の時にAKB48に加入。8年間全力でアイドル活動に専念しましたが、グループ卒業と同時に芸能界を引退。その後、広告代理店に入社し、約2年間営業職を経験しました。
働いていた会社があった都内のオフィス街を訪れた島田さんは、「まだ30年しか生きてないけどその中で一、二を争う苦しかった時期を過ごした場所ですね」と回想。アイドルから会社員への転身で、「パソコンが全然使えなかった。アイドルだったからしょうがないよね。こんなこともできないんだと思われたくなくて」と当時の苦労を明かしました。
現役時代はアルバイト経験がなかったり、学歴にコンプレックスを持っていたりと周りにも悩むメンバーが多かったという島田さん。「もし私と同じように歩む後輩とかがいるのであれば自信を持って社会に出てほしい。握手会で学んだコミュニケーションスキルとかビジネスで使える能力を蓄えている子たちなので」と語り、2020年にアイドルのセカンドキャリアを支援する会社を設立。言葉遣いやメールの作り方といったビジネスの基本から、パソコンスキルなどを身につけ企業とマッチングさせる事業を始め、2022年は元48グループのメンバー3人を一般企業に送り出しました。
■アイドルの第二の人生 どう支援?
こちらは、アイドル活動を辞めた宮崎さん24歳。約1か月間、島田さんのもとでビジネススキルを学びその成果を発表していました。プレゼンが終わると島田さんは宮崎さんに「部署でいうと営業は嫌だとかこれだけは嫌だみたいなのがあれば」と質問。宮崎さんは「営業、マーケティング、宣伝は自分の中で興味はあります」と語り、第二の人生を決める重要な選択をしっかりと話し合って決めていきます。
ビジネスの基礎以外にも専門スキルを身につけるプログラムも用意されていて、宮崎さんはシステムエンジニアの育成スクールに通い、パソコンのプログラミングを学んでいました。島田さんは「ひとつでも多くの選択肢を持ってもらいたい。アイドルって賞味期限があるっていわれている中、いつ辞めようとかそういう不安と闘いながらだったので選択肢があったら楽になれるかな」と、自身の経験を元に、後輩たちへの道筋を示していました。その宮崎さんは、3月に就職先が決まり、アイドルから会社員として新たな道へ進みました。
就職後も島田さんのサポートは続きます。都内の飲食店で待ち合わせをしていたのは、島田さんの支援で2022年に一般企業へ入社した48グループの後輩です。仕事の悩みを聞く相談役として、就職した後も定期的に集まっていました。
島田さんの取り組みについて元AKB48の前田敦子さんは「アイドルをやっている時、これから先のことって一生の悩みのひとつで、最後まで私はアイドルを全うしようと思えたことは一度もなかったんじゃないかなと思うので、ほかに選択肢があるんだったら心の健康はすごく保てる大事な存在だと思いますね」とコメント。
元アイドルが踏み出した第二の人生について、島田さんには信じていることがあるそうで、「ファーストキャリアを全力で頑張った子は、絶対にセカンドキャリアでもステキなキャリアを歩めると私は思っているので、不安とかも感じないでひとつの目標に向かって頑張ってほしい。アイドルにならなければ良かったと思ってほしくない」と、語りました。