×

四星球 製作は12時間も ダンボール小道具を使用したライブスタイルに迫る

2023年1月14日 21:35
四星球 製作は12時間も ダンボール小道具を使用したライブスタイルに迫る
四星球(左から)U太さん・北島康雄さん・まさやんさん・モリスさん
法被にブリーフという斬新なスタイルがトレードマーク。さらに、ダンボールで製作した小道具をライブで使用するなど、独自のパフォーマンスを行っている徳島県在住・4人組コミックバンド・四星球(すーしんちゅう)。そんな四星球のライブへ向けての思いや準備の裏側を取材しました。

四星球は、シンガー&脚本・演出の北島康雄さん(39)、ベース&マネジャー・事務所社長のU太さん(39)、ギター&小道具のまさやんさん(37)、ドラム&ポセイドンのモリスさん(38)の4人。2002年に康雄さんとU太さんを中心に徳島県の大学で結成。2008年からは四国最大級のロックフェス『MONSTER baSH』に出演するようになり、2014年には同フェスで大トリを務めるなど活躍。結成15周年を迎えた2017年には『メジャーデビューというボケ』でメジャーデビューを果たしています。

■準備1:バンド打ち合わせ・小道具注文「ギターを3本作って欲しい」

四星球のライブを作り上げるには、まず康雄さんがライブの構成を考えるところから始まります。その後、考えた構成を他のメンバーに伝える会議が行われます。今回、取材したのは2022年11月に行われた『四星球方向性会議』のライブの準備。会議現場の様子を見せていただくと、康雄さんが「ギターを3本作って欲しくて。高見沢(俊彦)モデルのギター、布袋寅泰モデルのギターと野村義男モデルのギター。それで、野村義男のギターには裏に“野村義男”って書いて欲しい」と小道具を製作するまさやんさんに注文。さらに、約20分かけて、どんな構成にしたいのか、どんな小道具が必要なのかなど、康雄さんが細かく説明していきます。

自ら“コミックバンド”を名乗る四星球。ライブでは曲と曲の間のMCなどで、段ボールで作った小道具を駆使した“ネタ”を披露します。20年前のバンド結成当初からこのパフォーマンスを始めたといいます。

――なぜこのバンドスタイルで活動していこうと思ったのですか?

康雄:徳島でライブハウスに来て下さるお客さんって限られているというか。毎回、ほぼ同じような方が来てくれるんですね。徳島だけで月5回とかライブするんですよ。徳島だけで月5回って、同じライブハウスで5本やるっていうことなので、“代わり映えせんとアカンな”っていうところから、“何かしよう”の精神が多分、ずっとあって今に至るのかなと思いますね。

■準備2:ダンボール小道具 製作時間は“最長12時間”

【今回使った道具】

・ダンボール

・カッター

・ハサミ

・ガムテープ(黒/白)

布袋寅泰さんモデルのギターをダンボールで製作する課程を撮影してもらいました。まず、まさやんさん自身が持っているギターで型を取り、カッターでその形に切っていきます。そして、黒のガムテープを貼って色をつけ、白のガムテープで模様を細かく再現していきます。約30分かけて、布袋寅泰さんモデルのギターが完成しました。

――まさやんさんはいつから小道具担当になったのですか?

まさやん:はっきりとした時期はわかんないですけど、四国で野外フェスに出してもらったのが、2008年が最初だと思うんですけど、その時とかは皆で段ボールの小道具を作っていた記憶があって。2010年にはもう僕が作っていたので、その2年間のうちにどっかであったんでしょうね。もともと工作が得意とかじゃないんですよね。なぜかみんながやらなくなっていったっていう。

――1つのライブにいくつも小道具を作っていると思うんですけど、製作時間はどれくらいかかるのですか?

まさやん:今回作っている動画をカメラで撮ったんですけども、それで初めて時間知りましたね。1個に使っている時間を。

――普段、あまり時間を気にしない?

まさやん:全然気にしてないですね。立体になると本当に段違いで(製作時間が)変わってきて。京都大作戦っていうフェスがあって、急きょ代演で出ることになったときに、康雄が『立体でグランドピアノが欲しい』ってなって、家で作り始めたんですけど、12時間経っていましたね。作り終えたときに。それはちょっと自分でもびっくりしましたね。

■ライブ当日:ダンボール小道具の組み立ては本番直前 康雄からの要望を忠実に再現

ライブ当日、リハーサルを終えたまさやんさんは小道具の組み立て作業を行います。サイズが大きいダンボール小道具はそのまま車に積むことが出来ないため、毎回、会場に到着してから組み立て作業を行っています。

そしてライブ終了後には、まさやんさん自らダンボール小道具の解体作業を行います。自分が製作した小道具だからこそ、“どのへんが折りたたみやすい”など把握しているため、スタッフに片付けをお願いするのではなく、毎回自分で片付けていると言います。

■バンドの目標は“色々な形で知ってくれた人が集まって欲しい”

バンド結成当初から、独自のバンドスタイルを貫いている四星球。今後、どんなバンドになっていきたいか、目標を伺いました。

康雄:“この人たちはどこで僕たちを知ったんだろう”っていうような状況が広がれば、めっちゃおもろいライブが出来るんじゃないかなって。例えばビジュアル系が好きなお客さんもいれば、『元々劇場通ってました』って人もいれば、キッズもいて、ご年配の方もいてみたいなフロアが最後できたらいいなっていうのはずっと思っていますね。