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福島中央テレビ・直川アナが語る『自分を愛するためのアイデア』 “本当の自己肯定感”との向き合い方

2022年11月11日 23:10
福島中央テレビ・直川アナが語る『自分を愛するためのアイデア』 “本当の自己肯定感”との向き合い方
福島中央テレビ・直川貴博アナウンサー
11月5日に行われた『ELLE ACTIVE! FESTIVAL 2022』に、いま注目される“個性派男性アナ”直川貴博(のうがわ・たかひろ)アナウンサーが登場。臨床心理士、公認心理師のみたらし加奈さんとともに『本当の自己肯定感』についてトークセッションを行いました。

ファッションメディア『ELLE Japon』を展開する『ELLE』グループが主催の今回のイベント。気候危機や自己肯定感、食やアート、ビューティーなどをテーマにセミナーを開催し、その中で著名人たちによるトークが繰り広げられます。

■『自己肯定感』とは

トークセッションはまず、『自己肯定感』とは何かという話題でスタート。

みたらし:ポジティブでもネガティブでもなく、“It's OK”、“まぁまぁ自分はこんなものかな”みたいな感じの大きな枠組みのものが『自己肯定感』になります。よく“いいところも悪いところも受け止めなきゃいけない”と感じがちなんですけど、そもそも長所・短所と分けてしまうのが良くなくて、自分のいいところも悪いところも、コインの裏表で、いいところ、悪いところってボックス分けしちゃってるのが、自己肯定感が低さ故のもの。だから“自分はこんな感じ”っていうぼやっとしたものをそのまま受け止めるっていうのが『自己肯定感』なんですけど…。

直川:それこそ長所・短所って就職活動を経験された方って、絶対言いますよね。インターネットで、自分の短所をいい言い方に言い換えてくれるサイトとかありますよね。

みたらし:そんなのがあるんですか?

直川:あります。面接の攻略法とかにも“こう言い換えよう”みたいな。私も一般企業を受けていたときは、自分のちょっと後ろめたい短所を、コインを裏返して言い換えまくっていました。

■自己肯定感が高い・低いにとらわれなくていい

続いてトークテーマは『自分を受け入れられない、自分を肯定できないままでもいいのか』という話題に。

みたらし:自分の事が嫌いな自分もそのままでいいというか、あえて受け止める必要ってないじゃないですか。“自分ってルーズだな… 嫌いだな……”でいいみたいな。自分のことを責めるトピックとして、嫌いなところをかき集めなくていいっていうのが結構大事かなと思います。

直川:私も番組とかをチームで作っていて、みなさんもそれぞれ置かれた環境で、自己肯定感が高い人ばかりだと大変なことになっちゃうと思うことがすごくあるんですね。それに、アナウンサーって比較的、私が思うに自己肯定感が高い人、自信家な方が多い気がするんですよ。例えば、テレビの生放送っていう時間が迫っていて、そんな中で、自己肯定感が高いアナウンサーが立っていて、心配性な人がいてもいいし、そういう意味では、自己肯定感が低いのかもしれないけれども、自己肯定感が高い人がいても、みんなのいいところで補い合っている気がしますよね。

みたらし:一人(心配性な人とかが)いたりすると、コミュニティーの雰囲気とかが変わってきたりとかするかなと思っていて。でも、高いとか低いにとらわれなくて良くて、自己肯定感が高い、低いっていう自分にタグを付けることになるので、そのタグを取ったり付けたりっていうのを繰り返していく作業っていうのが、すごく大事になってきていると思います。

■直川アナが自分を愛するためのアイデア

アナウンサーという職業の中で感じる『自己肯定感』について明かした直川さん。実際に自分を愛するためのアイデアについても話しました。

直川:言葉にすごく敏感になる仕事をさせていただいて、言葉のアップデートを常にしていきたいなと思っている中なので、私自身は逆に使わないようにしていますが、自愛のために“私が”っていうのを主語に置くのはどうでしょうか?

みたらし:なるほど、“あくまで私が”みたいな感じか。

直川:そうです。一人称を単体にすることで、自己肯定感をこれから高めていきたい人にとっては、自分の意見や考えを言いやすいのではないかなと。自分は中立なアナウンサーでいるために、“私が”という言葉を使わないようにしているんです。だから逆の発想で、自分の意見が言えない人たちは“私が”という主語を意識的に増やしていけば、自己肯定感が上がることになってしまう。不可抗力をかけられるんじゃないかなと思います。

みたらし:それにプラスして、“私は” “私が”っていうことで、自分の個別性も大事にするっていうことにつながると思うんですよ。私とあなたは違う人間で、だから比べる必要も無くて、相手の方の“私は”を尊重することにもつながるのかなと思うので、素晴らしいです

直川:2つ目は、今年『踊る!さんま御殿!!』に出させていただいたりして、初めて自分の中で得た感覚というのがあって、“他人から見る自分”と、“自分から見る自分”っていう2つあると思っていて。他人から見る自分は“価値”として表れてくると思うんです。自分自身のものは“価値観”になるんじゃないかなと思っていて。自分自身は、負けず嫌いで、自己肯定感も自称高い、精神面も強い方かなと自負しているので、自分の価値をあげるために、どうしようともがいたんです。そうしたら自分のことを自分で決める“価値観”があることに気づいて。それをブレない軸にするためには、自分の中にある“価値観”というものを夢につなげたんですね。

昔からフェミニンな容姿で目立つタイプだったので、そんな自分を貫き通して、フェミニンな価値観を誰かの生きる力に…なれるなんてまだおこがましいですけど、“これでもいいんだな”とか、悩んでいる方が私を見て、“ちょっと楽になったな”とか自分を肯定してもらえるきっかけになればと自分の価値観を夢につなげました。

■自分を大枠で捉えて 「しんどいことはしんどいままでも」

その後、イベント参加者からの相談や、事前に寄せられた質問に答えた2人。最後には今日を踏まえ、感想を話しました。

みたらし:自分自身っていうのは、大枠で捉えていいものだと思いますし、人生って本当に色んな事がある。大事なのは、しんどいことを取り除くのではなくて、自分自身の回復力、心理学で『レジリエンス』っていうんですけど、それを身につけてあげること、自分のことを受け止めてあげることだと思います。しんどいことはしんどいままでもいいし、しんどいままで嫌なときは、カウンセリングとか専門機関に頼ることもできるから、自分も、自分を支えてあげる一人だと思って、お過ごしになるといいと思います。

直川:私がアナウンサーになろうと思ったきっかけがマツコ・デラックスさんなんですね。マツコ・デラックスさんの本とかを読んでいると、 “生かされている意味”っていうか、私にもみたらしさんにも、みなさんにも絶対にも“ここに生きている意味”って絶対にあるんです。そこを自分の中でフィーチャーできて、価値観にできたら、少しずつ自己肯定感というものが、高い・低いで一概に言えないものだと最初にお話をいただきましたが、ちょっとずつ高めたい人には、このコンセンサスが上がってくるのかなと思います。