高杉真宙が語る「人生が変わった瞬間」 ターニングポイントになった作品とは
■ロミオは“いい意味でまっすぐすぎる”
――ロミオとはどんな人物ですか?
純粋すぎるがゆえに、“なんかアホだな”っていつも僕は思ってはいますね。まっすぐすぎるっていう。いい意味だとは思います多分(笑)
――高杉さん自身と重なるところはありますか?
誰だって恋愛に関しては(ロミオのように)客観視できていないんじゃないかなと僕は思っている。人でも物でも動物でも関係なく、熱中している瞬間っていうのは客観視できるものじゃないと思っているので、誰もがそういうときにまっすぐなアホになるのかなと。
(自分も)ゲームとか漫画とかにまっすぐ突き進むところがあるので、そういう意味ではまっすぐなアホなのかなとは思いますね。
――役作りをするときに、おっしゃっていたような“自分との共通点”を探すことはありますか?
僕はあまりないですね。それに関してはなんか共通点があればある分だけいいとは思いますけど、基本ないと思って考えて進んでいく方が僕は好きで。あまり共感するからとか、似ているからで深掘りする作業をおざなりにしないようにしなきゃなとは思っていますね。
――では素の自分と違う役の方がやりがいがある
そうですね、いろんな役をやりたいからこそだとは思うんですけど。でも探さなくても、やっているうちに似ているなって思う部分は出てくるものだと思うので。
■役者人生でターニングポイントとなった作品は
2009年に俳優デビューした高杉さん。『仮面ライダー鎧武/ガイム』や『賭ケグルイ』などの話題作に出演し、2017年の映画『散歩する侵略者』では第72回『毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞』を受賞するなど高い評価を得ています。
――これまでの役者人生でターニングポイントとなった作品はありますか?
『ぼんとリンちゃん』※っていう映画があるんですけど、ずっとそれですね。やっぱり人生がひとつ変わった瞬間なんだと思うんですよね。
(※2014年公開。高杉さんはゲームとアニメが好きなオタクのリンを演じ、第36回ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を受賞。)
そことの出会いがあったからこそ、演技の楽しさっていうのを改めて知れたので。10年近くはその楽しさは継続してやらせていただいている
――『ぼんとリンちゃん』ではどういうところに楽しさを感じたのでしょうか?
役を作ることの楽しさみたいな感じですね。それまでも、もちろん必死にはやっていたんですけど。でも楽しいというよりは必死っていう感じで、わけが分からないけれど、自分なりに考えてやっていくっていう作業だったんですけど。
『ぼんとリンちゃん』を経てからはこうやって土台を作って役作りをして演技に挑むんだよっていうのを教えていただいたので、そこからですかね。
――仕事への取り組み方の指針になった
そうですね。それはもうずっと変わらないと思います。でも、楽しい以外にもいっぱい宝物は落ちているとは思うので、そういったものをこぼさないように見つけて、すくい取っていかなきゃなとは思っていますね。
――演技をする中で宝物を見つけていく?
僕が前回やった舞台で、演出・千葉哲也さんがおっしゃっていた言葉で、「舞台上にはいっぱい宝物が落ちているから、それを拾って演技に生かしていかないとだよ」って言われていて、それは舞台上だけでもないなと思ったので、ちゃんと見つけていかなきゃなと思ってはいるんですよね。