菊池桃子 40代から学び直し「細胞がいきいきする」 今、関心の的は“YOASOBIの世界進出”
■“学ぶこと”に前向きな人生 今はYOASOBIを勉強中
――40代で大学院を修了されましたが、学び直しをしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
きっかけは子育て中の悩みであったり、あとはもう一つは私、アイドル時代に高校へ行って女子大に行って…っていう学生生活があって、夕方からはもうガシガシ仕事をしていたので、多分どこかで学習欲求が残っていたと思います。だから“もうちょっとしっかり勉強したいな”っていうのがすごく心の深いところにあったと思うんです。
学び直しをした時には、今自分が知らないことを知ろうとしたんですが、知らないことって、人生を終えるまできっといっぱいあって。その習慣を楽しむようにしたら、生涯何か学ぼうと思っていると思うんです。
――4月21日で、歌手デビュー40周年を迎えましたが、音楽のジャンルで今、学んでいることはありますか?
自分とは違う世代のアーティストの曲を聴いたり、あとは音の作り方を私自身学んだり。そうすると、いくら長く生きていても、若い方々から教わることも多いです。
――具体的に、どんなアーティストの楽曲を聴いているのでしょうか?
これがですね…ジャンル問わずトレンドにある方はみんな聴いています、本当に! YOASOBIさんって、どうしてこんなにアメリカとか世界進出がうまくいったのかなとか、本すごく読んだり。音楽作っているAyaseさんのプロになる前の音源とかも結構聴けたりするので、“ああ、やっぱりこの辺からもうYOASOBIの片りんがあるんだな”とか。今現在、皆さんに刺さってるっていうことは、絶対に重要なものがそこの中にあると思っているので、そういう勉強は常にしていますね。
■客員教授に就任して約12年 若い世代に思うこと
――菊池さんにとって、学びの原動力は何でしょうか?
多分、「人生一度きりだ」って思っているからです。最近、人生が100歳越すとか…。ちょっと前まで(人生)100年って言っていたんですけど、最近は私、大学でキャリア形成論っていうのを教えていて、110年っていうスパンで考えた方がいいんじゃないかっていう新説がもう出ていて。「うわー」って思うんですけど(笑)。皆さんも(人生が)長くなりそうなので、何かやっている方が楽しいと思います。
――母校で客員教授として教壇に立つ中で、今の若い世代を見て感じることはありますか?
もう10年ほどかな? 大学で教壇立たせていただいて。就職のことに関しても、すごくみんなしっかり設計していますし、いくつも目標を見据えていますし。すごい真面目だなって。こんな若い子たちがこんなちゃんと真面目に頑張ってる、“私もちゃんとしなきゃ”とかよく思います(笑)。
(一方で)“モラトリアム(猶予期間)を楽しむ”感覚は、少ない感じがして。というのは今、就職の状況も人手不足っていいますけどよかったりするので、若い子たちが猶予があるようなモラトリアムっていう空気がすごく薄い感じがしていて。“大学生になった、次、社会人!”みたいな。だからすごく早く精神的に大人になって、社会に入ろうってしているのかなとも見えます。
■菊池桃子流 “学び続ける”ためのコツ
――“学ぶこと”を大切にしている菊池さん。学んだり、挑戦したりする機会が減っている人もいると思いますが、もしそんな人が隣にいたらどんな言葉をかけますか?
私はきのうまで知らなかったことを知ると、もううれしくって。気持ちが高揚して、人にも話したくなりますし、細胞もいきいきするような気がするんです。勉強って教育機関でするものだとか、本を読むとか、難しいこと考えるだけじゃなくて、例えば近くにいる人の話を聞くとか、ラジオを聴く、テレビを見る。そういう中でも新しい発見いっぱいあるので。“さっきまで知らなかったことを知る”っていうことを、肩の力を抜いてしていただきたいです。細胞から若返ると思います(笑)。
菊池さんは、歌手デビュー40周年を記念した『Eternal Harmony』を4月17日に発売。“愛を贈る”というテーマのもと、自身が作詞・作曲した楽曲『Starry Sky』などが収録されています。