歌舞伎俳優・松本幸四郎、父としての思い
歌舞伎俳優の松本幸四郎さん(48)が取材に応じ、昨年8月の歌舞伎公演再開からの1年を振り返りました。
まずコロナ禍での公演について幸四郎さんは「今までとは違う公演の仕方ですので、今までですと1日劇場にいることがほとんどだった。そういう意味では、来月のお芝居についてほかの役者さんの楽屋に行ったり、ただただ演目をやるだけですから。今、ほかの役者さん、また同じ舞台に出ている役者さんの楽屋に行けないことだったりするので、今までと違う生活スタイルにはなっています。それに準じて行こうということに緊張感はあります。」と語りました。
再開時の舞台で大きな拍手で迎えられたことが忘れられないと話す幸四郎さん。再開から1年となる『八月花形歌舞伎』(8月3日初日)は、若手が中心となる舞台。第三部は、勇将木曽義仲の父・木曽先生義賢の壮絶な最期を描いた名作「義賢最期(よしかたさいご)」が上演されます。
この演目で初役を勤める幸四郎さんは「ほかの演目にないプレッシャーはありますね。松嶋屋のおじさま(片岡仁左衛門さん)に教えていただいたという、そういうものでもありますので、上演するということへの緊張感というのはすごくあります」と公演に向けての思いを明かしています。
また今回の公演には長男・市川染五郎さんも出演。市川中車さんの長男・市川團子さんと2人で第三部『三社祭』に出演します。
そんな染五郎さんについて幸四郎さんは「とても体を、飛び跳ねるといいますか、体の全身を使う踊りですので、大汗をかいて、全身筋肉痛を感じながらの舞台になると思います。染五郎自身も大好きな演目、踊りでもありますんでね。絶賛稽古中ですので、その成果を見ていただきたいと思います。自分も踊ったことがありますので教わったことは全て教えたいと思ってます」と父の顔をのぞかせながら語っていました。