市川團十郎襲名披露公演に向け 世界的アーティスト村上隆が『祝幕』デザイン
■映画監督・三池崇史が結んだ奇跡のコラボ
『祝幕』とは、歌舞伎座の襲名興行の際に贈られる特別な引幕のこと。襲名演目を上演する際、普段の幕の代わりに使われます。その『祝幕』を今回、世界のアートシーンで活躍する村上隆さんが担当。團十郎さんのドキュメンタリー映画を撮っている三池監督が、親交の深い村上さんに依頼したことで実現しました。
■村上隆の自信作 「いかほどの技術力を持った作品か分かる」
『祝幕』の大きさは、高さ7.1メートル、幅31.8メートル。三池監督が構想し、村上隆によりアート作品として誕生した『祝幕』には、『勧進帳』(かんじんちょう)や『外郎売り』(ういろううり)など“歌舞伎十八番”と言われる18個の演目が全てデザインされています。
村上さんは「日本の方が見ていただいても、西洋の方が見ていただいても、これがいかほどの技術力を持った作品か分かるようになっている次第です」とコメント。
さらに「目のぐるぐるなんですが、それは一個一個の顔に視点がしっかり誘導できるような仕掛けを持っておりまして、高度な技術を持った絵画なので、その辺を分析していただけるプロの方がいらっしゃるとうれしいなと思っている作品でございます」と見どころを語りました。
■圧巻の“祝幕”に「表現できない」
また、同じく見どころを聞かれた團十郎さんは「どこが見どころかを聞くのはちょっと野暮(やぼ)なんじゃないのかなっていうぐらい、どこもかしこも素晴らしい。『外郎売』はなぜか(長男の)勸玄らしき人までいるっていう細かさ。どこをどう言えばいいのかってちょっと僕には表現できないので…辞退させていただきます(笑)」とコメント。
最後に「このようなご縁を頂戴することに関して深く感謝しております。また、三池さんが作られる映画がどのようになるのか、楽しみにしております」とコメントしました。