市川海老蔵 團十郎襲名で妻・麻央さんへの思い語る 当時4歳の長男・勸玄が空に投げたキスのワケ
『市川團十郎』は、約340年前に、“荒事”の創始者として活躍した初代・市川團十郎から、代々受け継がれてきた大名跡です。いくつもの時代を経てきたこの名跡は、海老蔵さんの父である十二世・市川團十郎さんが2013年に亡くなってから、不在となっていましたが、今回約9年ぶりの誕生となります。また、この十三代目の襲名は、2017年に乳がんのため、この世を旅立った海老蔵さんの妻・小林麻央さんも、楽しみにしていました。
――空の上にいる麻央さんも、とても楽しみにしていると思います。どんな姿を見せたいと今感じていますか?
海老蔵:麻央はもう常に見ていると思いますし、旅立ったわけですけれど、家にちゃんと麻央のお参りするところがございます。勸玄も(長女の)麗禾も、そこに手を合わせて「ママおはよう」とか、そんなようなこともあります。やっぱり心の中では常にいるわけですよね。本当はじかに勸玄を褒めたたえたい、麗禾を一緒に支えていきたい、私のことも支えたいっていう気持ちが(麻央には)あると思いますけど、支えなくても大丈夫、楽しく見てもらえるような、余裕を持った状況になれるように頑張ります。心配しないで見てほしいなっていうところが私の本音です。
■当時4歳の勸玄が亡き母へ向けたメッセージ
2017年に麻央さんが亡くなった1か月後、4歳だった勸玄さんは、“勸玄白虎”という役で舞台に出演。海老蔵さんに抱えられながら、最年少で“宙乗り”というワイヤに吊られて歌舞伎座の客席上を渡る演出に挑戦しました。海老蔵さんが、その時のあるエピソードの真相を勸玄さんに聞きました。
海老蔵:“勸玄白虎”をやった時もね。いまだに聞いてないけど、宙乗りしてたじゃないですか。その時に空に投げキスしてたじゃないですか。あんな歌舞伎俳優を見たことないんですけど。空に投げキスしていたのは、あれ何ですか?
勸玄:あ、ママ。
海老蔵:ママなんだ。
勸玄:勸玄白狐やっている最中?
海老蔵:私も横でこうやってお客様を見ているから、何をやっているんだろうなって。1回も聞いていなかったけど、あれはママなのね。
勸玄:うん。
海老蔵:ですから、彼らの中ではつながっていることなのかもしれないので、楽しく見てもらいたいなと。勸玄の成長、麗禾も12月に女の子として團十郎襲名披露興行で出し物をするわけですから。彼女も日々勸玄のことを支え、私のことを気遣いながら過ごしている部分はあると思うので、その人がやっぱりこう花咲ける時間が設けられたこと。それは大いに喜んでもらいたいなと思います。
――投げキスの秘密が明かされましたけれど、今回11月、12月の襲名披露公演の舞台で何かお母様に届けようと思っていることとかありますか?
勸玄:届けようと思っていること……見守っていてほしいっていうか、いつも見てると思うんですけど……。ママに……何て言えばいいんだろうな。簡単に言うと、大切に見守っていてほしいなと思っています。