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松任谷由実 デビューまでの軌跡が小説化「正に、“事実は小説よりも奇なり”」

2022年9月15日 21:45
17歳で作曲家としてデビューして以来、現在に至るまで日本の音楽シーンをけん引してきたシンガー・ソングライターの松任谷由実さん。幼少期から、名曲『ひこうき雲』が生まれるまでを描いた『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』が出版されることが発表されました。
小説は映画化もされた『ここは退屈迎えに来て』や『あのこは貴族』などの著書がある、山内マリコさんが執筆。松任谷さんへの取材を基に、音楽の才能を開花させていく少女・荒井由実のデビューまでの軌跡が描かれます。

■ユーミン「正に、“事実は小説よりも奇なり”」

自身の小説が発売されることに、松任谷さんがコメントを発表しました。

【松任谷由実さん コメント(全文)】
これはノンフィクションというより、ルポルタージュに近いかもしれない。
山内マリコさんの獰猛な取材力とインタビューに、記憶のボタンが次々とクリックされ、
私は幼少期を、青春を、サーフィンしまくった。目眩く楽しかった。
これは多くの人たちが好きなサクセスストーリーの真逆だから、全くシンパシーが
得られなかったとしても仕方ない。
正に、“事実は小説よりも奇なり”。
ひとりの特異な少女が、50s、60s、そして70sの、
東京カルチャーとカウンターカルチャーに彩られ、特異なまま大人になってゆくお話。
山内さんの大いなる好奇心が、私自身もすっかり忘れていた愛を、思い出させてくれた。
こんな機会を与えていただけて、本当に良かったと思う。
つくづく私は、“ユーミン”以外のものにはなれなかったのだなあと、
覚悟とも諦めともつかない幸せな気持ちで、この小説を読み終えた。

【作者・山内マリコ プロフィル】
1980年、富山県生まれ。2008年に「女による女のためのR-18文学賞」で読者賞を受賞。12年、初の単行本『ここは退屈迎えに来て』を刊行。ほかの著書に、21年映画にもなった『あのこは貴族』などがある。