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「めちゃめちゃ好きだった人に作った歌」がヒット 高校同級生バンド『Fish and Lips』【バイラルアーティスト】

2024年3月29日 22:40
「めちゃめちゃ好きだった人に作った歌」がヒット 高校同級生バンド『Fish and Lips』【バイラルアーティスト】
高校の同級生で結成・スリーピースバンド『Fish and Lips』インタビュー
今回のバイラルアーティストは、高校の同級生で結成されたスリーピースバンド『Fish and Lips』。去年8月に配信リリースした1stシングル『会いたくなったら』は音楽配信のバイラルチャートで上位にランクインし、再生回数は140万回を突破(2月末時点・チューンコアジャパン発表)したことでSNSなどを中心に話題を呼んでいます。そんな高校卒業直後のFish and Lipsの3人にインタビューしました。

『バイラル』とは“感染的に”という意味があり“口コミで広がっていく様子”を表したもの。SNSなどによって拡散され、多くの人に聴かれているアーティストや今まさに火がつき出し、音楽シーンをにぎわせそうなミュージシャンをフィーチャーしていく日テレNEWS音楽部発『バイラルアーティスト』。

Fish and Lipsは、2022年1月に埼玉県の高校同級生3人で結成。Vocal/Guitarの西村大地さん(18)、Bassの岩本柊平さん(18)、Drumsの岩田雄大さん(18)からなるスリーピースバンド。3月に高校を卒業し、この春からは大学に進学し学業と両立しながらのバンド活動。4月の自主企画ライブの開催を発表すると、1時間でチケットはソールドアウト。さらに、4月29日に大型フェス『JAPAN JAM 2024』への出演も決定しました。

■Fish and Lips結成 同じ高校の同級生「最初はLINEで話が進んで」

――Fish and Lipsというバンド名はどう決めたのですか?

西村:ひらめいたのは俺です。フィッシュ・アンド・チップスを由来としているんですけれども、「スナックのように好きな人の唇を」って意味でつけました。

岩本:『フィシュリ』って略せるのがすごくバンドっぽくっていいなって思いました。覚えやすいなって思って。

―――バンドはどのように結成されたのですか?

岩田:西村と(同じ高校の)軽音部で、岩本と自分が中学校の同級生でそこから仲良くて、バンドをやってみようぜって話になって始めました。

西村:初対面は全然しゃべれなかったですね。

岩本:ずっと黙っている感じで、バンドをやっていくうちにしゃべれるように打ち解けていった感じがします。

西村:最初はLINEでまず話が進んで、あんまり会ってない状態で新曲をもうLINEに送っちゃって。スタジオにひとまず入ろうってなって、そこのスタジオが初対面だった。(初対面は)話したというよりスタジオに入ってあんま喋ってない状態でよく分からない人の新曲を演奏してるみたいな。

■1stシングル『会いたくなったら』がSNSで話題に サブスクで140万回再生

――ヒット曲『会いたくなったら』はどう制作されたのですか?

西村:その時にめちゃめちゃ好きだった人に作った歌です。素直にまっすぐ詞を作ろうと思って作りましたね。だから若いなって思います。全然、まだまだなんですけどね。弾き語りでまず作ったんですけど、20分くらいで作業が終わって、作り終わったときはぜんぜんヒットするとか思ってなかった。(歌詞の)LINEかなんかで教えてよみたいな表現ってなんか恥ずかし味のあるほどにまっすぐな歌詞だなって思っていて、そういうのってフィシュリにしかやれないんじゃないかなって思います。

――サブスクで100万回再生を突破したときの気持ちを教えてください。

西村:もうなにがなんだか。その100万人をここに呼び寄せたいです。どのくらいの人が聴いているのかなって。そこまで広まると思ってなかったし、衝撃的というか。

岩本:実際に学校の友達とか、近所の人も知っているぐらい広まってくれていて、すごいうれしく思っています。

西村:埼玉・鳩ヶ谷のラーメン屋さんに行ったんですけど、そこで「あれ? Fish and Lipsの」って話しかけてもらって、えー! 知っているんだって思って、素直にいいなって思いました。ラーメンがおいしくなりましたね(笑)

■コロナ禍での高校生活・バンド活動 「制限されてきた青春を否定したくない」

――コロナ禍で過ごした高校生活に対しての苦悩はありましたか?

西村:めちゃめちゃありましたね。『青春ロックを歌って』っていう1曲があるんですけど、その歌はすごく、「なにくそっ!」みたいな思いがギュッとなった曲になっていると思います。“マスク”という表現があったり、制限されてきた青春を否定したくないなって思ったので、制限があっても素晴らしい青春だったなって思えるような曲になっていますね。

――高校とバンド活動の両立は大変でしたか?

岩田:大変でした。(3人が同じ)軽音部のバンドじゃなくて、軽音部の大会とかライブに出られなかったので、自分たちでライブハウスに声かけてもらって出させてもらうのを繰り返しやっていた感じだった。それと、学校の部活でまた違うことをやらなきゃいけなくて結構大変だったなと思います。

岩本:それこそ僕の場合は吹奏楽部だったので、吹奏楽部のコンサートがあって、その次の日に(バンドの)ライブがあって、バイトもあって。色んなことが重なって大変な時期もありました。

西村:卒業したのでよかったです。

■今後の目標「邦ロックを網羅する勢いで進んでいけたら」

――Fish and Lipsとしての今後の目標を教えてください。

西村:「日本武道館でワンマンライブをすること」です。(『会いたくなったら』の)詞にも入ってて、“いつか有名になって武道館なんて埋めて”って歌っていて、詞を作った時は日本武道館に執着はしてなかったので、大きいステージっていう表現の1つとして日本武道館って使った。3人でフィシュリとしてやっていて、やっぱり日本武道館やりたいねって話に自然となっていって。『会いたくなったら』の詞にもあるし、目標の1つでもあったし、日本武道館でワンマンをやろうって今は大きい目標を持っています。

――どんなアーティストになりたい?

西村:邦ロックといえば、フィシュリみたいなアーティストになっていきたいなと大きく思っています。

岩本:邦ロックの界わいで知っている人がいても、それ以外の界わいの人は知らないっていうのがほとんどだと思うので、他の人や一般の人にも知ってもらえるようなバンドになりたいなって思います。

岩田:もちろん有名なバンドになりたい気持ちはあるんですけど、それもありつつ、ファンに愛されるバンドでありたいなっていう気持ちが強いです。

西村:ひたすらに邦ロックを網羅する勢いで進んでいけたらなと思っています。