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是枝裕和監督「世界的な状況から取り残されている」 日本映画界の“労働環境改善を求める活動”が評価

2022年11月10日 21:50
是枝裕和監督「世界的な状況から取り残されている」 日本映画界の“労働環境改善を求める活動”が評価
『パーソン部門賞』を受賞した是枝裕和監督
映画監督の是枝裕和さん(60)が10日、都内で行われた『WORK DESIGN AWARD 2022 授賞式』に出席し、今年新設された『パーソン部門賞』を受賞しました。

『WORK DESIGN AWARD』は、日本の“働きやすさ”を前に進めることを目的に、働き方をアップデートした取り組みを社会に広く伝えていくために設立されました。今年から新設された『パーソン部門賞』は、働き方や取り組みが世の中に新たな気づきや、前向きな影響を与えた人物に贈られます。

是枝監督は、コロナ禍による映画館の閉鎖や、相次ぐハラスメントの告発など、多くの問題が存在する日本映画界の労働環境改善を求める『日本版CNC設立を求める会』を、映画監督有志とともに立ち上げました。こうした取り組みが評価され、受賞となりました。

■「若い世代が少しでも、いい環境で働けるように」

授賞式に出席した是枝監督は、「今回、評価していただいた取り組みというのは、まだ本当にスタート地点に立ったばかりで、何の実績もまだありません。今回の賞を励みにメンバーとも、この意義を共有して来年以降の活動につなげていければなと思っております」とコメントしました。

また、スペシャルプレゼンターとして登壇した俳優の伊藤淳史さん(38)は、是枝監督の取り組みについて「(撮影では)ハードな現場もあるので、そういう時に“守られてるんだ”“安心して現場に臨めるんだ”っていうものを約束してもらえて、それが大きなモチベーションになれば、作品自体もっと良いものになっていくんじゃないか」と、コメント。是枝監督に、「いつか現場で、ご一緒させてください(笑)」と直訴し、会場を和ませました。

伊藤さんのコメントを受け、是枝監督は「若い世代が少しでも、いい環境で働けるように。親御さんたちが、お子さんをそこで働かせることに不安を抱かないように、そういう改革を少しずつでも進めていかないと、もう本当に世界的な状況から取り残されてしまっているので。その辺りを少しでも、と思っております」と、意気込みを語りました。

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