認知症を公表の蛭子能収 75歳 『最後の展覧会』と題した個展を約6年ぶりに開催
■1973年漫画家デビュー 2020年に認知症を公表
1973年に漫画家としてデビューした蛭子さん。味のある画風から“ヘタウマ”作家として注目されました。80年代後半からは、“いじられキャラ”としてテレビ番組で人気者に。年間200本近くの番組に出演するなど、タレントとしても活躍していました。
しかし、2020年7月に認知機能が徐々に低下していく『レビー小体型認知症』と『アルツハイマー型認知症』の合併症であることを公表。「(これからは)認知症の俺を笑ってください」と仕事への意欲を見せていましたが、表舞台に出ることは少なくなり、絵を描く機会も減っていったといいます。
現在は数時間前の出来事を忘れてしまうときがあるなど症状が進行していて、デイサービスに通ったり、月に一度通院したり治療を続けています。
■絵画の制作活動を再スタート
そんな中、2022年の秋に仲間の手を借りながら絵画の制作活動を再スタートし、8日に新作絵画17点を集めた個展が都内で初日を迎えました。会場には、蛭子さんがこれまで描いてきた画風とは異なる、大胆な線で描かれたカラフルな色使いの作品が並んでいました。
作品を見た30代のファンは「漫画は白黒ですけど色がついて、原色じゃない色で描かれているのが素晴らしいなと思いました」と評価していました。また、東京藝術大学に通う20代のファンは「いろんな絵の具の表情を出せるんだというのがすごい驚き」とコメントしました。
会場に飾られている作品は、サイズによって30万円から80万円までの値段がつけられていて、30万円の作品は、取材時点ではすでに5点が売約済みだといいます。蛭子さんは「ちょっと高いね。これ誰が(値段)つけたのかな? 俺かな? 本当に俺? あ~安くするよ」と笑顔を見せました。
また“今後の目標”を聞くと「今のところないんですよね。描き続けたいです」と意気込みました。
『最後の展覧会』と名付けられた蛭子さんの個展は、9月末まで東京・南青山で開催されています。
(9月8日放送『news every.』より)