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片岡仁左衛門「彼とは半世紀以上コンビ」 坂東玉三郎と18年ぶりに与三郎とお富で共演

2023年3月24日 6:15
片岡仁左衛門「彼とは半世紀以上コンビ」 坂東玉三郎と18年ぶりに与三郎とお富で共演
片岡仁左衛門さん
人間国宝で歌舞伎俳優の片岡仁左衛門さん(79)が、4月2日に東京・銀座の歌舞伎座で初日を迎える、歌舞伎座新開場十周年記念『鳳凰祭四月大歌舞伎』(4月27日まで)に出演。仁左衛門さんにインタビューし、上演に向けた心境などを伺いました。

仁左衛門さんが出演するのは、夜の部『与話情浮名横櫛』。与三郎とお富の色模様を描いた物語で、仁左衛門さんは与三郎役を、お富役を坂東玉三郎さんが勤めます。

1982年、この演目で初演した仁左衛門さん。取材会では、当時を振り返って「(相手を)見初めて、手紙を読むシーンでは手が震えた」と緊張したことを明かしました。

実は、今回の演目は、2022年の6月に上演される予定でしたが、仁左衛門さんの体調不良により中止に。それに伴い休演もしていました。そのことについて仁左衛門さんは「私が帯状疱疹(たいじょうほうしん)なって、(かつらの下につける)羽二重をあてられなくなった状態になったものですから、中止ってことになったんですけど。1年おいてやれることは非常にありがたいことですね」と心境を明かしました。

また、仁左衛門さんとこれまで多くの演目で共演してきた玉三郎さんですが、同作品での共演は18年ぶりとなります。仁左衛門さんは「彼とは半世紀以上コンビを組んでいますから、お互い気心が知れていますから非常にやりやすいですね」と関係性について話しました。

さらに今回の見所について聞いてみると、「“どこを見てほしい”という部分的なことは、あまり私は言いたくない。見所というのは演者が決めるんじゃなくてお客様が決められること」と語りました。

■「体力があるうちに」 近年の演じ納めについて

歌舞伎俳優は同じ役を何度も演じますが、仁左衛門さんはこういった、演じたことのある演目を再演する時には、過去の映像をいくつか見返しては、反省点を見直し修正するそうです。しかし、これまで納得した演技は今はまだないと話します。

また、2023年2月に行われた『二月大歌舞伎』にて、勤めた役・藤田水右衛門と、八郎兵衛の役を演じ納めた仁左衛門さん。近年、このような役の演じ納めを発表しています。その理由について「体力のいるもの、年とともにどうしても体力が衰えていきますから、今ならできるという狂言をやり納めっていっているんですけど。体力が落ちても芸でカバーできるお芝居もありますし、でも体力がなければどうしようもないという狂言も。正直、私もそう長くはないですから、体力を使える狂言っていうものを今のうちにやっておきたい」と思いを語りました。

そして、今後の歌舞伎界について、役者たちに期待することは「ずっと続いてきた歌舞伎というものをいかにして残していくか。我々歌舞伎役者というものは、ほかのジャンルの俳優さんと違って、守っていかなければならない部分が大きいんですよ。我々は先輩たち、先人たちが残して練り上げてきてくださったものを次の世代へつないでいかなければいけないという使命を、後輩のひとたちにも心得ていただきたい」と心境を明かしました。

2023年は「その日その日の舞台を、一生懸命勤める。悔いのない1日を過ごす」という目標も力強く語ってくれました。