「この世にひとつしかない」世代を超えて愛される『AKIRA』の魅力 セル画展の来場者を取材
■『AKIRA』生みの親・大友克洋が企画、構成したセル画展
本展では、大友さんが監督を務めた劇場版アニメーション映画『AKIRA』(1988年公開)のセル画展や直筆レイアウトなど、約600点を展示。会場に入ると、『NEO TOKYO』『NIGHT-MARE』『catastrophe theory』と大きく3つのエリアで構成されています。
展示されているセルやレイアウトは大友さん自らがチョイスし、コーナーや配置も指示しているといいます。展示の一部は、全集『OTOMO THE COMPLETE WORKS』(講談社)の第1期の中で刊行された「原画・レイアウト集」にも収録されていますが、実際に目の前で見ることができる今回のような展示は初めてだということです。
セル画展を訪れた20代の2人に話を聞くと「当時の貴重な資料とか見られて、貴重な体験でした」「絵とかも個人的にすごく好きで、ビルが崩れるところとかすごく細かくて好きですね」と明かしました。
また、40代の来場者は「大友さんの描く絵が好きで、ストーリーボードとかあってよかったなと。普段見られないものを見られるというのがすごくいいですね」と感想を語りました。
■来場者に聞く魅力「この世にひとつしかない」
母親の影響で『AKIRA』と出会い、作品が大好きになったという20代の来場者に作品の魅力を聞くと、「(セル画展を見て)、やっぱり映像だとどんどん次の映像が流れていってしまうので、“こんなこと描いてあったんだ”とか、背景や風景とかもじっくり見られておもしろかったです。(作品の魅力は)目に入ってきて、“見たい!”という印象を抱かせてくれたのは絵とかカラーリングとか。そういうのが、一番私はグッとくるところです」とコメント。
また、セル画展の開催を待ち望んでいたという30代の来場者は「間近でみると本当に細かく作られていて、練り込まれていて、たまに“ここはもう少しこうしてください”とか、ト書きみたいなのが書いてあったりして、すごく熱意を持って作られたんだなと感じられました。世界観がすごく不思議な世界観で、最近のアニメでも中々ないなっていうところで、本当に独特というところが、この世にひとつしかないんじゃないかなという、魅力なんじゃないかなと思っています」と語りました。