テリー伊藤「これは尊敬する」 鎌倉・湘南エリアのカーマニアがこだわるガレージを訪問
■貴族を乗せていた 1955年式のロンドンタクシー
最初に訪ねたのは、英国アンティークのコレクターで、年代別のロンドンタクシーを10台所有するほどのマニア・土橋正臣さんのガレージです。
なかでも最古の1955年式のロンドンタクシー『FX3』は、実際にロンドンの街を10年間走っていたそうで、助手席部分に料金メーターを装備。ドアや座席は設けておらず、荷物置き場として使われていました。土橋さんは、「今でもロンドンタクシーは、助手席に人を乗せない。この名残と言われている」と語りました。
運転席に腰掛けたテリーさんは、「本当に狭い。背筋をまっすぐにしないと乗れない」と、乗り心地を明かしました。その理由について、土橋さんは「後ろ(後部座席)は貴族が乗っていた」と説明し、ほかにも馬車の名残で、運転席と客席はガラスで仕切られていたと話しました。
エンジンを始動させたテリーさんは、「一発でかかった。いきなり(エンジンの回転数が)安定している。これはいい! すごくいい!」と、気持ちを高ぶらせました。
続いて、テリーさんの目に留まったのは、ロンドンタクシー『FX4』。1958年から40年近く生産されたベストセラーカーです。長期にわたりイギリス全土で、タクシーとして使用されたため、ロンドンタクシーの代名詞になったといいます。
テリーさんは、「20代の時に初めてロンドンに行ったときに、飛行場から乗って感激しました。ドキドキしました」と振り返りました。
最後に、オーナー土橋さんにとってガレージとは? と質問すると「男のロマンとアイデンティティーを追求する場所です」と明かしました。
■趣味色全開! DIYガレージ
続いて訪問したのは、ヤシの木をバックに、おしゃれな車が出迎える橋本正人さんのガレージ。住宅の1階部分を駐車スペースにしたビルトインガレージで、テリーさんは、一目見て「全部が雑誌に出てくるような(感じ)」と絶賛しました。
ガレージに入ると壁や床、天井にいたるまで、手作りを感じさせる仕上げになっていました。テリーさんは、「男の隠れ家だね。センスがいい」と、関心を示しました。
ガレージの設計や施工を、一人で行ったというオーナーの橋本さんは、「もうリタイアしましたけど米軍横田基地で、30年以上住宅をリフォームする仕事をしていた」と、仕事で培った技術だと明かしました。
ガレージ内に置かれていたのは、『フィアット アバルト 595』。後部のドアを開けっぱなしにしている理由について、橋本さんは「放熱のために開けています。夏はオーバーヒートしちゃうので、だからオイルクーラーもつけました」と明かしました。
最後に、橋本さんにとってガレージとは? と質問すると「大きな宝箱ですね。子供の頃も、いろんな物を拾ってきて箱に入れていた。あれの、大きい版です」と語りました。
■夢をかなえる“湘南物置クラブ”
テリーさんの目を引いたのが、白いオートバイ。これは戦後まで、日本を代表するオートバイメーカーだった目黒製作所の『メグロ スタミナK1』。1964年に開催した東京オリンピックで、聖火リレーの先導車として使われたことでも知られているバイクです。
“動かない車”と聞くと、修理せずにはいられないという倉林さん。ガレージには修理中の車『ダットサン フェートン』が置かれ、奥に進むと修理工場のような作業場まで完備していました。
オーナーの倉林さんは、「ご飯も、こういう所(作業机)で食べる。2階の住まいで、妻に小言を言われるんだったら、ここに(いたほうがいい)」と明かしました。さらに、倉林さんにとってガレージとは? と質問すると「子供に子供部屋があるように、ここは私の“夢をかなえてくれる場所”。ここにいれば何でもできるので」と語りました。
テリーさんは、「圧倒された。これは尊敬する。(ガレージを)外から見ると普通の幸せそうな家庭だったけど、中に入ると暗黒の街だよね。ワクワクする」と、自身の好みと一致すると明かしました。
(7月1日放送のBS日テレ『おぎやはぎの愛車遍歴』ガレージのぞき見SP 鎌倉・湘南編を再構成)