KOOさんは1993年、31歳の時に小室哲哉さんのプロデュースによりTRFでデビュー。楽曲『BOY MEETS GIRL』、『CRAZY GONNA CRAZY』など、数々のミリオンヒットを記録し、1990年代のヒットチャートを席巻。日本の音楽シーンに、ダンスミュージックというジャンルを確立しました。2023年2月に、デビュー30周年を迎え、最近ではユニークな個性を生かしバラエティー番組でも活躍しています。
車との出会いについて、KOOさんは「僕ら昭和世代は、車を持っている人がヒーローだった。だから、高校3年生の夏休み、即行で自動車免許を取得しました。当時、免許がないと男として扱われなかったくらい」と、当時の事情を明かしました。
■父親から借り受けた初の愛車
18歳のKOOさんが、初めて乗った愛車は『ダットサン サニー』。1960年代から日本の車社会をけん引してきた大衆車が、1973年に3代目モデルへ進化。基本構造は継承しつつも、従来のシンプルなイメージから一新され、豊かな曲面と、鋭い線で構成された若々しくダイナミックなスタイルへと生まれ変わりました。
約40年ぶりに『ダットサン サニー』を目にした、KOOさんは「うわーかっけえ！ いま見るとめちゃくちゃ格好いい。懐かしいですね」と興奮。さらに出会いについて、「父親が乗っていて、自分で車をなかなか持たせてもらえなかったので、これを乗ってろと（借り受けた）。僕的には当時、“ケンメリ（日産 4代目スカイライン）”、“ローレル”の時代だったんですよ。本当は、“ダルマ（トヨタ 初代セリカ）”が欲しかったんですよね。そういうので、箔（はく）を付けたかったんですよ」と、当時流行した車を明かしました。
久々に愛車のハンドルを握ったKOOさんは、「免許取り立ての頃は、母親に助手席に乗ってもらって、練習とかしましたもん！ 1歳下の女の子を花見に連れて行きましたね」と、青春時代を懐かしみました。
■“ギターヒーロー”に憧れた中学生
音楽に興味を持った時期について、KOOさんは「中学生くらいからギターを始めて、バンド組んでたんですよ。どちらかというと、ボーカルよりも斜に構えて、陰で支えている無口なギターヒローに美学を感じていました。でも最初、憧れたのは小学校の高学年で沢田研二さん。ザ・タイガースのアルバムを聴くと、やっている音楽がライブ盤で全部洋楽なんですよ。そこで初めてザ・ローリング・ストーンズとかを知って、洋楽にハマりましたね」と明かしました。
■新宿で生まれた“DJ KOO”
DJになるきっかけについて、KOOさんは「当時はバンドでプロになるための、オーディションとかなくて結局あきらめてしまった。専門学校に通っているときに、新宿のディスコに行ったりして。当時はやんちゃな人や、きれいなお姉さん、サラリーマンがいっぱいいた中で、DJだけ自分の場所を持って、“YEAH～！”ってやっているのを見て、“これだ”と思ったんです。それから、サーファーディスコのDJ見習いで入りました。徒弟制度みたいな感じで、見習いだと給料はもらえなかったので、ウエイターをしながらやっていた」と、下積み時代を明かしました。
また、当時のDJスタイルについて「当時は六本木と新宿（のディスコ）はバチバチだった。六本木は、音楽をMIXして披露する“つなぎ”スタイル、新宿は“べしゃりの新宿”で、“さあ みんな土曜日は手は頭の上だ～！”みたいな、マイクパフォーマンスを披露するスタイル。当時と現在で、やっていることは何ら変わりがないんです。だから六本木でやっていたら、いまの“DJ KOO”は、いないかもしれない」と、DJ KOOの誕生を明かしました。
さらにKOOさんは25歳で、dj hondaさんたちDJ仲間とThe JG’sを結成し、アメリカ・ニューヨークでレコーディングをしてオリジナルアルバムを制作。早見優さんや、荻野目洋子さん、久保田利伸さん、郷ひろみさんたちの楽曲アレンジや、リミックスをする仕事をしていたといいます。
■キリンとまみえた20代の愛車
続いて登場したのは、KOOさんが20代で購入した愛車『日産 フェアレディ280Z』。1978年に登場した2代目モデルには、2.8リッターのL型直列6気筒エンジンが搭載されました。さらにアメリカ市場のニーズに応えた伝統のロングノーズ、ショートデッキのスタイリングながらボディーサイズを拡大。国産車として初めて“Tバールーフ”を設定しました。
フェアレディ280Zを選んだ理由について、KOOさんは「やっぱりスポーツタイプが欲しかったんですよ。まだ、そこまで稼げてなくて中古で買ったんですよ。中古車の雑誌を散々見て、一番お手頃な所に買いに行きましたね」と振り返りました。
KOOさんは、愛車の思い出について「この車の時は、奥さんと知り合っていて『富士サファリパーク』に行ったんですよ。サファリパークでも車を貸してくれるんですけど、見えを張ってこの車で入った。そしたら、“Tバールーフ”のところに、キリンが舌を出してきちゃって、下はドロドロで失敗したなと思いました」と、苦い思い出を明かしました。
■DJ KOO「谷のどん底」 苦渋を味わった20代後半
若くして成功を収めたKOOさんでしたが、20代後半になると、「人生 山あり谷ありの、谷のどん底がやってきた。1984年に風営法の大幅改正によって、ディスコの営業時間が午前0時までになって、給料が高い順にカットされていった。僕はニューヨーク帰りで（DJの）チーフをやっていたので、いの一番にカットされ、DJの仕事が本当に減ってしまった。ワンポイントで行けるDJの仕事だけをして月収は5万円弱に。もう結婚をしていたので、仕方なく一度実家に戻った」と、苦汁を味わったといいます。
またKOOさんは、生活費を稼ぐために清掃業のアルバイトを始めたそうで「つなぎを着て残材を整理したり、ロープでぶら下がって（ビルの）窓を拭いたり、夜中にパチンコ店の天井拭きをした」と苦労した当時を明かしました。
■人生が激変した 小室哲哉との出会い
1993年にデビューし、スターの座へ駆け上がったTRF。プロデューサー・小室哲哉さんとの出会いが、どん底だったKOOさんの人生を変えたといいます。「小室さんが『横浜ベイサイドクラブ』で、“TK RAVE FACTORY”というイベントをやるので、そのクラブのDJから“やりませんか？”と言われて行ったのが、TRFの最初だったんです」と、グループ結成の礎を明かしました。
続けて、KOOさんは「SAMとかダンスチームとYU-KIは、小室さんからスカウトされたんですけど、実は僕はスカウトされていないんですよ。イベントを担当するから、小室さんのスタジオに行って…その時は、清掃業を一生やると思っていたので、手とかミュージシャンの手ではなく、青たんや切り傷だらけで、手を隠しながら小室さんに挨拶しました。その時の小室さんのスタジオが、もうケタ違いで、シンセサイザーはいっぱいあるし、科学者が新しいことを生み出しているみたいな。そこでショックを受けて、“あしたもスタジオに見学に来ていいですか？”と聞いたら、小室さんが“いいよ！”と言ってくれて。それから毎日通いました！」と、小室さんとの出会いが人生を変えたといいます。
■おこづかい減らしてフェラーリを購入？
現在KOOさんは、自身の子供に電車やバスの公共交通機関を利用した一般的な生活をさせるため、20年以上、車を所有していないといいます。そんな、KOOさんが“DJってカッコいい”と思われるような、スポーツカーに乗りたいと要望。そこで、登場したのは2021年に世界初公開された『フェラーリ 296GTB』。『SF90ストラダーレ』に続く、プラグインハイブリッドカー。“FUN TO DRIVE”を追求した新時代のスーパースポーツとなっています。
車が登場すると、KOOさんは「かっけえ！ これを見たら、とりあえず ひよりますよね。これを運転してる自分が もし体感できたら、“うれしみ DO DANCE！”ですね」と、DJ KOO節で表現しました。
電気モーターだけで走る“eDriveモード”で、初試乗したKOOさんは「めっちゃめちゃ静か！ ペダルが足についてきます。（カーブを走行しても）カーブしている感じがしない、この安定。（加速も）あっという間ですよ。気持ちいいなあ。なんか（車への情熱が）よみがえってきちゃったなあ。（気分が）上がりますね、憧れの車に乗ると。夢広がるわ～。僕、おこづかい制で1日2000円なんですけど、1日500円にしてフェラーリを買ってもらおうかな」と、フェラーリに魅了されていました。
最後に“KOOさんにとって車とは？”という質問に「人生のロマン DO DANCE！」と、DJ KOO節で即答。続けて、「男ならではのモノってあるじゃないですか、これまでの人生の中で車ってロマンですね」と、しみじみと語りました。
