ミステリー小説『十角館の殺人』 “映像化不可能”と言われていた小説が実写映像化
動画配信サービスHuluで来年3月22日に独占配信される本作。原作は、1987年に発表された綾辻行人さんのデビュー作『十角館の殺人』(講談社文庫)です。物語の舞台は、十角形の奇妙な外観を持つ館“十角館”が存在する角島(つのじま)。緻密かつ巧妙な叙述トリックで読者をその世界に引き込みながらも、“たった1行”で事件の真相を描くという大胆な手法を用い、その特異性から映像化は不可能といわれ続けてきたといいます。
綾辻さんは、1992年に『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞を受賞。2019年にはミステリー文学の発展に寄与した作家や評論家に贈られる日本ミステリー文学大賞に輝きました。“館シリーズ”と呼ばれる人気シリーズは、全世界シリーズ累計発行部数670万部(講談社発表)を記録しています。
今回、『十角館の殺人』の映像化に挑むべく、ハリウッド仕込みの映像演出で緊張感のある作風を得意とする内片輝さんが監督を務め、話題のドラマなど多くの作品を手掛けてきた八津弘幸さんが脚本を担当するということです。
原作者の綾辻さんは、内片監督から実写化したいといわれた時の感想について「どうやって実写化するの? できるの? という疑念を、やはりまず抱かざるをえませんでした」と明かしつつも、「内片さんが“やりたい”と云うのだから、何か彼なりの(実写化のための)アイディアがあるのだろうな、とは思いました」とコメント。
また、「原作をすでに読んでおられる人にとっては、気になるのはやはり、“映像化不可能”であるはずのメインの仕掛けをどうやって“可能”にしているか、という点でしょうから、まずはその興味でご覧ください。どんな仕上がりになるのか、僕も大いに楽しみにしています」と実写化に期待を寄せています。