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食料の安定供給に関するリスク発表 農水省

2022年6月21日 13:16
食料の安定供給に関するリスク発表 農水省

農水省は、新型コロナの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻を踏まえ、食料の安定供給に関するリスクを検証し、発表しました。

検証の対象は、国内で消費するカロリーの98%以上をカバーする食料27品目に、木材などを加えた32品目です。

これらの品目に起こりうる「労働力不足」や「温暖化」など25種のリスクについて、「起こりやすさ」と安定供給への「影響度」を分析し、3段階で評価しました。

このうち、「労働力不足・後継者不足」のリスクは生産過程で手作業の多い野菜や果実で起こりやすく、特に畜産物や水産物では顕在化しつつあると分析。安定供給への影響度も高いことから、野菜、果物、畜産物、水産物などについて、3段階のうち最も高い「重要なリスク」と評価しました。

また、「温暖化・高温化」のリスクは、さとうきび、飼料作物、飼料穀物を除く全ての品目で「顕在化しつつある」としながら、品種改良など影響度を下げる取り組みが行われているとして、多くの品目で3段階のうち中程度の「注意すべきリスク」と評価しました。

また、日本がほぼ全量を輸入に依存している、「燃油の輸入減少・価格高騰・品質劣化」によるリスクは、ロシアによるウクライナ侵攻などで価格が不安定になっているとして、ほとんどの品目で「注意すべきリスク」とし、経営費に占める燃料費の割合が特に高い野菜、茶、水産物、きのこ類では「重要なリスク」と評価しました。

この結果について、金子農水相は21日朝の会見で、「現行の政策全般について検証を進め、食料安全保障の強化に向けしっかりと取り組んでまいります」と述べた上で、リスク評価をもとに政策を見直していく考えを示しました。