ガス代が払えない…“低所得の子育て世帯に5万円給付”検討も厳しい実態 親は子どもが残したものを食べ…
追加の物価高対策の提言を受け、岸田首相は低所得世帯に一律3万円、低所得の子育て世帯に子ども1人あたり5万円の給付を検討する考えを示しました。しかし、「こども食堂」を利用する“貧困世帯”を取材すると、ガス代が支払えず停止したり、親が子どもがもらった弁当の残りを食べたりするなど、厳しい実態が見えてきました。
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東京・北区にある建物の一室で、並べられた机に座って勉強に励む子どもたちがいました。そばでは大人たちが見守り、質問に答えています。実はこの場所は学習塾ではなく、“貧困世帯の子ども”などに無料で勉強も教えている「こども食堂」なのです。
子ども
「これだけ? 問題?」
スタッフ
「そうだよ、これで終わりだよ」
週に1回、30人ほどが利用しているといいます。帰り際には、無料の手作り弁当を渡していました。
迎えにきた祖母
「この1食の弁当が本当にありがたくて。食費もだいぶ高くなりましたよね、(家計が)ひっぱくしまくりですね」
物価高の影響で、生活は厳しさを増しています。
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こうした中、自民党と公明党が15日、追加の物価高対策を政府に提言しました。提言を受け、岸田首相は低所得世帯に一律3万円、低所得の子育て世帯に、子ども1人あたり5万円を給付することを検討する考えを示したといいます。
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子ども食堂を利用していた一人親世帯を取材しました。小学生の姉妹と父親の3人暮らしで、祖母が子育ての手伝いに来ているのだといいます。見せてくれたのは、ガスの供給が一時、止まってしまった際の通知でした。
一人親世帯の祖母
「(ガスが止まると)お風呂入れないでしょ。大人は我慢できるけど、子どもはそうはいかないじゃないですか」
父親は夜遅くまでスーパーで働いているということですが、物価高が続く中、家計は苦しいといいます。
一人親世帯の祖母
「(子どもの)体も大きくなるから、洋服もね(買わないと)。上履きでしょ、体操着でしょ…結構、厳しいですよね」
「(子どもたちが)お弁当食べた時は残すので、父親はその残りを食べる…そんな生活です」
低所得の子育て世帯に5万円を給付する案について尋ねると「助かるんですけど、(生活費の支払いが)今までの分もたまっちゃっているんですよ。それを支払うのがいっぱいいっぱいかな…」と話し、苦しい状況を明かしました。
(3月15日放送『news zero』より)