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GDP“2四半期ぶり”プラス成長 訪日観光客が後押しも物価高が“足かせ”に…

2023年2月14日 19:56
GDP“2四半期ぶり”プラス成長 訪日観光客が後押しも物価高が“足かせ”に…

14日、内閣府が発表した去年10月から12月のGDP(=国内総生産)の実質成長率は年率で0.6%のプラスとなり、2期ぶりのプラス成長となりました。水際対策の緩和で訪日外国人数が回復したことなどが成長を後押しした一方、物価高騰が消費の足かせとなっています。

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韓国から1人旅できた女性が訪れていたのは、路面電車が走る東京・豊島区です。向かったのは、日本茶専門店です。気さくに話しかけてくれる店主との会話も、全てガイドが訳してくれます。

店主
「ちょっと寒いよね」

韓国からの観光客(通訳を通して)
「韓国の方がもっと寒い」

店主
「そうなの?」

韓国からの観光客(通訳を通して)
「今、ソウルってマイナス15℃くらい」

店主
「えーっ、本当に!」

実は、このツアーはホテルが企画した宿泊者を対象にした地元のお店を巡るもので、地元ならではのお店を次々に案内していきます。

韓国からの観光客
「もう1回来てみたいと思ったし、とてもユニークなプログラムだと思いました」

コロナ禍ではゼロに近かった外国からの観光客は、去年10月に水際対策が緩和されたことでその数が回復しつつあり、日本経済を後押ししています。

その状況を反映する統計を、内閣府が14日に発表しました。去年10月から12月のGDP(=国内総生産)の実質成長率は、年率で0.6%とプラスになりました。「ウィズコロナ」の進展でサービス消費やインバウンド需要の回復もあり、2期ぶりのプラス成長となりました。

この地元を巡るツアーを開催しているホテルでも、外国からの観光客が戻ってきているといいます。

OMO5東京大塚by星野リゾート 渡邉萌美総支配人
「全国旅行支援ですとか、今回、インバウンドのお客さまも戻ってきはじめて、最終的には11月、12月はほぼほぼ満室で迎えることができたっていう状況です」

このホテルでは、2年ほど前から複数の言語の案内板を設置。現在、宿泊者の2割から3割は外国からの観光客で、2週間ほどの長期滞在を楽しむ人もいるといいます。

さらに政府は9日、2025年までに海外観光客1人あたりの消費を20万円とする目標案を示しました。コロナ前と比べ4万円余り引き上げ、高い期待を寄せています。

   ◇

一方、経済成長の足かせとなったのが、物価高による"買い控え”です。スーパーマーケットの買い物客に聞いてみると――

お客さん
「食費も結構(家計を)圧迫はしているんですけれども、結構、電気代が厳しいかなって…」

お客さん
「タマネギとか、結構上がったかなとは思います」

お客さん
「こんな安いのを狙っているわけ、半額。もっといっぱい具材を入れたいんだけど、お鍋にね」

取材したベニースーパー佐野店では、“節電”を徹底するなど、コスト削減に努めています。それでも、去年と比べて、価格は1割程度、上がっているといいます。

帝国データバンクによると、去年1年間、食品だけでも主要105社の2万822品目が値上げしました。さらに今年は1月から4月までで主要195社で1万2054品目の値上げが発表されています。

プラスとマイナスの要素が入り交じる中、先行きについて専門家は――

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 小林真一郎主席研究員
「現在までの個人消費を押し上げているサービス関連の支出増加は、いずれ一巡することになります。物価高の影響を乗り越えて消費が増加していくためには、賃金がもっと上がっていくことが必要かと思います」

コロナ禍から回復しつつある日本経済。根本的な回復には、物価高に負けない「賃金上昇」が求められています。

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