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日本航空再建の鍵「アメーバ経営」とは

2010年2月8日 1:35
日本航空再建の鍵「アメーバ経営」とは

 今月1日、会社更生法の適用を申請した「日本航空」を立て直すため、カリスマ経営者として知られる稲盛和夫氏が会長に就任した。稲盛氏の打ち出す「アメーバ経営」と呼ばれる手法が再建の鍵を握る見通しだ。経済部・岩田明彦記者が報告する。

 アメーバ経営とは、会社の組織を小さな集団に分けて利益とコストを管理するシステムだ。採算のとれない組織があれば、別の集団が支え、状況に応じて姿を変えることからアメーバ経営と名付けられた。

 東京都内に23店舗を展開するすしチェーン「築地すし好」は、9年前にアメーバ経営を取り入れ、利益は約8倍に伸びた。会議では、スタッフ一人の1時間あたりの利益が発表される。そうすることにより、それぞれが経営者の意識を持つことができるという。築地すし好の場合、店舗それぞれがアメーバ経営という設定となっていて、そのコスト意識はさらに細部にまで及んでいる。また、従業員の給料を除き、原価や売り上げまでオープンとなっている。築地すし好がアメーバ経営を取り入れたのは、社長が偶然手にした稲盛氏の本だった。経営にはコスト管理だけでなく、経営理念を確立し、全社員で共有することが大事だとも書かれている。

 アメーバ経営を日本航空にも浸透させるため、「京セラ」元副会長・森田直行氏が経営陣に入る予定。新たな手法で、日本航空は再び翼を取り戻すことができるのだろうか。