「客離れにならないか」GW直前“値上げ”に不安 ウクライナ侵攻で小麦・燃料費の価格高騰
まもなく迎えるゴールデンウイークですが、燃料費や小麦粉の価格高騰の影響がでてきています。値上げの波は観光地にも押し寄せ、「客離れにならないか」と不安な声も出てきています。
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19日朝、神奈川・横浜市にある漁港から船が出港して約20分。ポイントに到着し、行われていたのは、アジ釣りです。
――きょうの釣果は?
「まあまあです。アジだけだったら、20匹いってるかどうか」
アジだけで、20匹ほど釣り上げていました。釣り船を出している横浜市の会社では――
金沢漁港 進丸 川島正船長
「乗船料、船に乗る料金ですね。これを上げさせていただきました」
今月から乗船料を6400円から6800円へ、400円値上げしたということです。
川島船長
「原油の価格は上がり調子で、ずっと上がっていたんですけど、年明けからウクライナのこともあって、『まだまだ先はずっと上がり続ける調子じゃないか』という予測が」
原油高を主な理由として、餌や釣り具なども値上げしたといいます。現在、予約する人が1人でも船を出しているということですが、まもなくゴールデンウイークを迎える中、大きな期待を寄せています。
川島船長
「できれば、何人か集まってくれないと、(客が)1人では赤字になってしまう。何人か集まってほしいんですけど」
川島船長は、「船を1回出すごとに燃料代がかかってしまうことから、なるべくたくさんの人に来てほしい」と話していました。
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値上げの波は、香川県のソウルフード・讃岐うどんにも――
さぬき麺業 香川政明社長
「お店によっては10~20円から、50~60円(の値上げ)。100円以上の価格アップになっているメニューもございます」
さぬき麺業は、県内を中心に6店舗を展開しています。ウクライナ侵攻などの影響を受けて、うどんに欠かせない小麦粉の価格が大幅に高騰したことなどが原因で、18日からメニューを改定し、その多くを値上げしたということです。
店では、ゆで釜の火をこまめに消すなどして、経費削減に取り組んで来たということですが、香川社長は「苦渋の決断だった」と言います。
香川社長
「これ以上辛抱しますと、経営の方がどうしても圧迫してしまいますので」
約70店舗が加盟する本場さぬきうどん協同組合によると、「客足への悪影響を懸念し、ゴールデンウイーク前に値上げできない」とする店舗も複数あるということです。
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値上げの波は各地で広がっています。
1日500個のソフトクリームが販売されるほど人気の長野県の道の駅では、ソフトクリームを今月から50円値上げしたということです。値上げの理由として、原乳価格の上昇、殺菌にかかる燃料代の高騰を挙げています。
道の駅 田切の里 石田航平さん
「やっぱり値上がってしまったのかという残念な気持ちもありますので、大変申し訳ないとは思っています」
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神奈川県の観光名所「横浜中華街」の定番メニューでも、値上げとなりました。
江戸清 中華街本店 杉野峻一さん
「昨日からブタまんをはじめ、主力の中華まん、100円ほど値上げをさせていただいております」
江戸清・中華街本店では、営業から30年以上、一度も値上げをしてこなかったということですが、「小麦などの原材料費や物流費の高騰で値上げせざるを得なかった」と話します。
杉野さんは、「100円の値上げというのは、お客様が躊躇してしまう額かもしれませんので、そのあたりは懸念はありますね」と不安をのぞかせました。
また、横浜で定番のお土産として親しまれている洋菓子も、今月から値上げとなります。小麦など原材料費の高騰などが理由で、値上げ幅は10%ほどとなっています。
ゴールデンウイークを前にした値上げですが――
ありあけ広報担当 藤原あずささん
「通常5個入りの商品に1つプラスさせていただいて、価格は据え置きということで」
20周年ということもあり、一部商品については1つ増量して対応しているということです。