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【解説】西武池袋ストライキのわけ なぜ売却急ぐ? 雇用への懸念…“文化”は

2023年8月31日 6:05
【解説】西武池袋ストライキのわけ なぜ売却急ぐ? 雇用への懸念…“文化”は

「そごう・西武」の労働組合が31日、ストライキを行うことを決めました。これを受け、西武池袋本店は31日に全館休業します。組合がまだ納得していないなかで、親会社はなぜ売却を急ぐのでしょうか。また、売却後の従業員の雇用について、どのような説明がなされているのでしょうか。

■百貨店業界では“異例” なぜストライキにまで発展?

有働由美子キャスター
「“スト突入”となれば、大手百貨店では1962年の大阪の阪神百貨店以来で、客を相手にする百貨店業界では異例とも言えます。なぜ、こんなことに?」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「まずは、登場人物を整理しておきたいです。セブン&アイ・ホールディングスは、傘下の百貨店『そごう・西武』を海外投資ファンドに売却することを31日にも決定する意向です」

「これにそごう・西武の労働組合は『売却前に、今後についてのきちんとした説明がない。雇用が守られなくなる可能性がある』として反対しています。また、売却後は売却先の意向で西武池袋本店にヨドバシカメラが入ってくる計画なんですが、地元では“池袋の顔”とも言える百貨店の前面に家電量販店が入ってくることに懸念を示す人もいます」

■「百貨店に就職したのだから働き続けられるようにして」声も…売却を急ぐ理由は

有働キャスター
「組合がまだ納得していないなかで、売却を急ぐのはなぜですか?」

小栗解説委員
「セブン&アイ・ホールディングスは『雇用維持』や『事業継続』のためには『売却は不可欠』とコメントしています。実際にそごう・西武は4年連続の赤字で、約3000億円もの負債を抱えていて、株主からも『なぜ赤字の百貨店を抱えているんだ』『売却すべき』という圧力もあって、売却は避けられないと判断したようなんです」

「経済評論家の加谷珪一さんは『セブン側は、本業のコンビニ事業に集中したい。百貨店はあくまで事業の一部で業績もよくないので、宝物を手放すという感覚ではないのではないか』と話しています」

有働キャスター
「売却後、従業員の雇用はどうなるんですかね?」

小栗解説委員
「ヨドバシカメラが入れば、従来の百貨店の売り場面積は減るわけですから、人が余ることが予想されます。セブン側は、新たな株主の下で新事業や他の店舗で働けるようにしたいとしていますが、もしそれでも余ってしまう場合にはセブン&アイグループが受け入れるとしています。ただ、組合側はこれまで『百貨店に就職したのだから、百貨店で働き続けられるようにしてほしい』と求めています」

■「無印」「ロフト」も生んだ文化 どうなる…

有働キャスター
「辻さんは、“大手百貨店で61年ぶりのスト”と聞いていかがですか?」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー)
「そごう・西武さんは、実は私もお仕事したことがあって、その時に創業からの歴史を学びました。例えば、無印やロフトもここから生まれましたし、文化を創ったり大事にしてきた企業のDNAが本来、あります」

「だからこそ、池袋も電器店が入ったり便利になっていくことはもちろん大事ですけど、一方で池袋の街たらしめてきたひとつの文化として、働き手も含めて守られてほしいなという思いはあります」

有働キャスター
「その点、街づくりについても前向きな答えを出してほしいと思います。西武池袋本店のストライキによる休業は、31日の1日だけの予定です」

(8月30日放送『news zero』より)