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なぜ今? リクルート“今年最大”上場

2014年10月16日 18:01
なぜ今? リクルート“今年最大”上場

 就職支援や結婚、店舗情報などの情報サービスを手がける「リクルートホールディングス」が、東京証券取引所に16日朝、株式を上場した。東京証券取引所から安藤佐和子記者が中継。

 東京株式市場は午後3時に取引を終えたが、16日に市場をにぎわせたのは、リクルートホールディングスの上場。時価総額1兆8000億円を超える今年最大の大型上場となった。リクルートは1株3100円で株式を売り出したが、市場で最初につけた株価はこれを70円上回った。

 リクルートはなぜ今、上場したのだろうか。市場で資金を調達したい理由の一つは、海外展開の強化、ずばり買収資金の確保だ。

 峰岸社長は「2020年には人材分野でグローバルNo.1を目指す」としている。リクルートは2012年、世界最大の求人検索サイト「indeed」を買収するなど、グループの売上高に占める海外の割合が23%にまで高まっている。人口減少で国内の市場が縮小する中、働きたい人と企業のマッチング(=職探しの支援事業)の海外展開を増やし、海外での売上高の割合を50%にまで拡大したい考え。

 また、峰岸社長は「2030年にはホットペッパーのような販売促進メディア、つまり飲食店や美容院など、店の販売支援を行う事業でもグローバルNo.1を目指す」と言っている。リクルートはこの事業で独自のIT技術を駆使していることから、IT関連事業の強化にも資金を使っていく方針。

 1988年のいわゆるリクルート事件の影響で、いったんは厳しい経営に陥ったリクルート。しかしその後、数々の新規事業を立ち上げ、今ではグループ企業130社、売上高1兆円超の企業に成長した。海外での知名度を上げ、さらに業績を拡大する意向。