すき家「ワンオペ廃止」発表 従業員が死亡 「一部店舗で続いていた」実態を証言
牛丼チェーン・すき家は、今年1月にアルバイトの女性が、1人で働くいわゆる「ワンオペ」中に倒れ、死亡したことを明らかにしました。すき家は、午前5時から午前9時のワンオペ勤務の廃止を発表。すき家のワンオペ勤務は2014年にも問題となっていましたが、「一部店舗で続いていた」ということです。別店舗でアルバイトをする男性が、その実態を証言しました。
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手頃な値段で食べられる牛丼チェーン最大手のすき家で、いわゆる「ワンオペ」中の従業員が死亡していたことが明らかになりました。
亡くなったのは、50代のアルバイトの女性です。1月17日午前5時半ごろ、名古屋市にある店舗の厨房で倒れていたといいます。発見されたのは、それから3時間以上たった午前9時前、別の従業員が出社した時でした。女性は病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。
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すき家の別の店舗でアルバイトをする男性に話を聞きました。「勤務歴は数か月」ということです。
――ワンオペの経験は?
別のすき家の店舗でアルバイトをする男性
「はい、あります。(面接で)『ワンオペって今はないですよね?』って聞いたら、『あるよ』って。『えっ! 今、あるんだ』って、自分もビックリしました」
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「すき家のワンオペ」は、かつて大きな問題となりました。すき家を展開するゼンショーホールディングスの小川賢太郎社長は、2014年に開かれた会見で次のように述べていました。
ゼンショーホールディングス 小川賢太郎社長
「労働力不足ということで。一部、過重な負担がいって、本当に反省している次第であります」
すき家では人手が足りず、ワンオペが常態化していました。2014年に公開された調査報告書によると、月の残業が100時間を超すアルバイトは常に数百人いて、さらに、2週間家に帰れなかったケースなども明らかになりました。
そこで2014年以降、すき家では午前0時から午前5時の「ワンオペ勤務」を廃止しました。ただ、一部店舗では、それ以外の時間でワンオペが続いていたということです。
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話を聞いた男性の店でも、午後10時から午前0時までと午前5時から午前9時まで、ワンオペが行われていたということです。比較的、客足が少ない時間だといいますが、男性は業務量の実態を明かしました。
別のすき家の店舗でアルバイトをする男性
「むしろ、午前5時から午前9時までのワンオペが一番きつい。サラリーマンの方とか、7時台とか、たくさん来ますし、朝食って、すごい品数が多いんですよ。牛丼なら米を盛って、肉を盛って、トッピングして終わりですけど、定食だと、小皿・ご飯・納豆とか用意しないといけない。業務量が多くなるんですよね」
複数の従業員への聞き取りによると、ワンオペ勤務では調理や店内での接客のほか、ドライブスルーでのレジ対応、さらには定期的な清掃、材料の発注なども1人でこなすため、常に何かしらの仕事をしているといいます。
すき家は女性が死亡したことを受け、「今月中に全店舗で午前5時から午前9時のワンオペ勤務を廃止する」と改善策を発表しています。
(6月2日放送『news zero』より)